1歳の誕生日に行う伝統的なお祝い方法、選び取りの方法とは

みなさんは選び取りという伝統的なお祝い方法を知っていますか?
1歳の誕生日に行う選び取りという行事は、未来を暗示する道具を赤ちゃんに選ばせて将来を占うというものです。
遊びの要素もあるので家族みんなで楽しめます。
今回は、1歳の誕生日のお祝い行事として定番になりつつある選び取りについて詳しくご紹介します。

選び取りとは


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選び取りとは、赤ちゃんの将来の職業や、どんな才能を持っているのかを占うものです。
赤ちゃんの少し離れたところに、お金やそろばん、お箸などのアイテムを並べて、赤ちゃんがどのアイテムに興味を持って、手に取るかで将来を占います。
赤ちゃんの前に置くアイテムや方法については、特に細かい決まりはなく、各家庭によって様々です。
昔から一般的に使用されているのは、そろばんやお金、定規など。
そろばんは商売人、はさみは手先が器用になるなど、赤ちゃんが手に取ったもので将来の職業や才能を占って楽しみます。

選び取りの歴史
現在の日本では、海外からの文化が多く取り入れられていて、お誕生日を毎年お祝いするのは当たり前になっています。
しかし、日本では元々、誕生日を毎年お祝いする風習はありませんでした。
昔は乳児の死亡率が高く1歳の誕生日を迎える峠を一つ越えたという意味合いで、初めての誕生日だけは家庭のお祝い事として親戚などで集い、1歳の誕生日をお祝いしていたそうです。
その際にお祝いとして行われてきた代表的なものが選び取りと、有名な一升餅です。
特に選び取りの歴史は古くからあり、少なくとも戦国時代から行われてきたといわれています。
選び取りの歴史として有名なのが、父は絵師、母は武将の娘であった狩野探幽という画家のエピソードです。
彼は選び取りの際に、真っ先に絵筆を選んだため、両親が絵描きにすると決めたそうです。このときに短刀を選べば武士になっていたかもしれないと言われています。
本来の選び取りのやり方は、赤ちゃんに2度、アイテムを掴ませて、1番目に掴むもので性格や運勢、寿命などを占って、2番目に掴むもので将来の職業を占うというものでした。
選び取りは才能や将来の職業を占うものとして、昔から人々に親しまれてきていました。

選び取りで使う定番の6アイテム

選び取りで使用するアイテムには、特に細かい決まりやルールはなく、地域や各家庭によって様々ですが、昔から定番で使われていたアイテムがこちらです。
【お金や財布】お金に困らない、玉の輿に乗る、お金持ちになる
【そろばんや電卓】計算が得意になる、商売上手になる
【箸やスプーン】料理人になる、将来食べることに困らなくなる
【定規】将来大きな家を建てる、几帳面な性格になる
【はさみ】美容師やデザイナーになる、手先が器用になる、衣装持ちになる
【筆】勉学の道に進む、学者や文筆家になる、事務官など知識人になる、画家・書家など芸術家になる
賢くなるように、お金に困らないように、など衣食住の充実と高い教養を願う気持ちが表れたアイテムです。

追加でおすすめな選び取りのアイテム

選び取りで使われるアイテムを何にするかは特に決まりはありませんので、自由な発想で準備をすると良いでしょう。
例えば、お寿司屋さんを営む家庭はお寿司のおもちゃを入れるなど、各家庭にちなんだアイテムを取り入れるのも盛り上がっていいかもしれません。
【カスタネット、鈴などの楽器】音楽家になる
【ペンチやドライバーなどの工具】エンジニアや大工さんになる
【マイク】アイドルや歌手、声楽家になる
【スマホなどのタブレット】IT関係の仕事に就く
【野球やサッカーなどのボール】運動神経抜群になる、将来スポーツ選手になる
【おもちゃの聴診器】お医者さんになる
【風船】世界に羽ばたく大物になる
【アクセサリーや服】着るものに困らない、おしゃれのセンスが良くなる
【辞書】大学へ進学する、博士など学者になる、学問が良くできる
【鏡】アイドルや俳優、タレントなど芸能関係に進む
アイドル、音楽家、エンジニア、スポーツ選手など職業に合わせて準備するものを考えるのも楽しみのひとつです。
他にも、看護師さんのママはナースキャップ、警察官のパパは警官帽などママやパパの職業に関するアイテムを用意しても盛り上がっていいかもしれません。

家族みんなで楽しめる選び取りの方法


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選び取りのやり方はとても簡単なので、楽しみ方を説明するまでもないとは思いますが、さらに楽しむためのポイントをご紹介します。
張り切ってアイテムを準備しても、赤ちゃんが思った通りに動いてくれるとは限りません。
スムーズに行うために以下のポイントを押さえておきましょう。

選び取りのアイテムを準備する
選び取りに使うアイテムに決まりはありませんが、あまりにアイテムの数が多すぎると、子どもも選びづらくなってしまいます。
選び取りのアイテム数は4~8品目程度にしておくのがいいかもしれません。

道具と赤ちゃんの距離は離しすぎないようにする
あまり遠いところにおいてしまうと、気がそれてしまい道具のほうへ行かない場合もあります。
赤ちゃんの目につく場所に、等間隔で並べましょう。

将来を暗示するアイテムを決める
そろばん、筆などの定番のアイテム以外にも、自由な発想で選んで大丈夫です。クレヨンを画家のイメージとして、ランニングシューズをスポーツ選手のイメージとして、など家庭にあるものを利用して、家族みんなで楽しめる選択肢を作りましょう。
分かりやすくするために、道具と職業の対応表を作成するのもおすすめします。

場所を決める
あまり狭い場所を選ばずに、周りにモノが少ない、すっきりとした広いスペースで行いましょう。

なるべく普段遊んでいないものを用意する
選び取りに使用するアイテムは自由ですが、なるべく赤ちゃんが普段遊んでいないアイテムを用意しましょう。
もしも普段からスマートフォンなどで動画を見たりしている赤ちゃんだと、いつもの動画のだ、と真っ先に手に取ってしまって、公平に占いができない可能性があります。
普段からスマートフォンに触れている赤ちゃんにIT関係のアイテムを用意したい人は、パソコンのマウスやタブレットを使うなどして、代替品を用意するようにしましょう。

アイテムとアイテムの間隔をあけて並べる
あまり近くに並べすぎてしまうと、2つ同時に掴んでしまったり、取ろうとしたものではない、近くにあったものにも触れてしまう可能性があります。
ある程度間隔をあけた状態で、赤ちゃんがどれを目指したか明確にわかるようにしたほうが盛り上がるので、アイテムの間隔はあけて並べるようにしましょう。
歩ける赤ちゃんは少し離れた場所に、ハイハイの赤ちゃんには少し近くに並べてあげるのがいいかもしれません。
赤ちゃんの周囲に並べておくのが一般的ですが、場合によってはトレイなどに並べて赤ちゃんの前に差し出して選んでもらって行うのも良いでしょう。

ルールを決めておく
赤ちゃんは色々なものに興味を持って、自由気ままに動き回って行動をします。
選び取りを始める前に、何を基準として、赤ちゃんが選んだとするのかのルールをあらかじめ決めておきましょう。
1番最初に手に取ったもので占う、何個か触ったうちの長く持っていたもので決める、触った道具すべてを対象にするなど、各家庭ごとに選び取りのルールを決めましょう。

赤ちゃんに声をかけて、どれを選ぶか見守る
赤ちゃんの機嫌によっては、道具の場所まで行こうとしない場合もあります。
名前を呼びながらこっちだよ、好きなものを選んでみて、などと声をかけながら誘導してあげましょう。
いつもと違う雰囲気だとそれを察して、泣き始めてしまうこともあるので、リラックスした雰囲気の中で行うように心がけましょう。
親や祖父母が、道具のそばで赤ちゃんを呼んであげるのがおすすめです。

あまり目立つ道具は入れないようにする
赤ちゃんが好む楽器やボールのおもちゃ、カラフルな道具を入れてしまうと、赤ちゃんは無条件でそれを選んでしまう可能性があります。
大きさもできるだけ揃えたほうが良いでしょう。

選び取りには現物で行う場合とカードで行う場合がある


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最近では、選び取りに現物のアイテムではなく、カードを使って行う選び取りカードというものがあります。
現物のアイテム、カード、どちらも基本的な選び取りの楽しみ方は一緒ですが、メリットが異なるので、各家庭に合った方法で楽しみましょう。

現物のアイテムで楽しむ選び取り

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現物のアイテムで楽しむのが、昔から行われてきた一般的な選び取りです。
選び取りに使うアイテムは、ほとんどが自宅にあるものなので、事前に準備がほとんどいらず、気軽に楽しむことができます。
また、現物のアイテムを使うと、形や大きさがいろいろなものがあるので、赤ちゃんの興味をひきやすいので、簡単に行うことができます。
また、記念に写真を撮っても、写真映えするのもメリットの1つです。

カードで楽しむ選び取り

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一方で、選び取りカードを使ったメリットは、なんといってもオリジナリティを出せることです。
カードを自分たちで購入したり、印刷したり、作成する事前準備は必要ですが、その分オリジナリティや特別感を出すことができます。
事前に準備したカード自体の保管も、場所を取らないので、選び取りの後も取っておくことができます。
なので赤ちゃんが選んだカードをアルバムなどに貼って保管しておくと、ファーストバースデーの思い出として記念に残すこともできます。
最近では、選び取りカードと一升餅、名前入りリュックなどがセットになったものなども、インターネットで販売されているので、こういったものを購入するのもおすすめです。1歳の誕生日に必要なものが1度に揃うので便利です。

選び取りカードを自分で作る方法


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選び取りに使用するカードを作るのは難しいと思う人もいるかもしれませんが、簡単に作ることができます。
パソコンを用いて作成しますが、普段あまりパソコンを使うことがない人でも簡単に作成できます。

用意するもの
プリント用紙
色画用紙やミニサイズの色紙
サインペンや色鉛筆
透明のカードケース(紙が薄い場合)

選び取りカードの作り方
1、選び取りに使いたいアイテムを決めておく(数はいくつでも大丈夫です)
2、インターネットで選び取りに使いたいアイテムの写真やイラストを探す
検索バーに探したいアイテムの名前を入れて検索すると、簡単に見つかります。
3、良さそうな写真やイラストが見つかったら、右クリックをして名前を付けて保存します
4、社員プリント用の用紙1枚につき、イラストを1つずつ印刷していく
普通の紙でも良いのですが、写真プリント用の用紙に印刷すると、よりカードっぽくなります。
5、印刷したものを適当な大きさに切って紙に貼ります。
6、もっとかわいくデコレーションしたいひとは、色紙用紙やサインペン、色鉛筆などを使って飾りをする
7、もし、出来上がったカード自体が薄い場合は、透明のカードケースにカードを1枚ずつ入れると丈夫になります。

絵をかくのが得意な人は用紙に直接イラストを描いてももちろん大丈夫ですが、この方法だと、絵をかくのが苦手な人でも簡単にカードを作ることができます。

選び取りで子どもの成長を喜びましょう


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今回は1歳の誕生日の伝統的なお祝い方法の選び取りとは何か、準備方法などをご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
赤ちゃんが目指したアイテムに向かって行って、手に取ったものによって赤ちゃんの将来を占う選び取り。
赤ちゃんが自分で選んだもので将来を占うなんて、楽しそうですよね。
決められたルールなども特になく、各家庭で準備できる範囲で楽しくできるので、あまり親の負担にならないのも特徴的です。
将来、選び取り通りの結果になってもならなくても、話が盛り上がると思うので、動画や写真などでたくさん思い出を残しておくのがおすすめです。
あとから振り返った時に温かい気持ちになるような、素敵なお誕生日なるとよいですね。
1歳の誕生日には、小さくてかわいい手や足で手形足形をのこしたり、離乳食で誕生部ケーキを作ったり、赤ちゃん用の蒸しパンやヨーグルトでケーキを作るなど、どんなお祝いをするかはその家庭のアイデア次第で、今この時期にしかできないお祝い方法がたくさんあります。
その1つの中に、ぜひ選び取りを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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