
今から備える将来のための「両親の介護」に必要なことは?
私たち(子供)は、親はいつまででも元気で生き生きとした生活を送っていると、信じて疑わないのが子供である介護する側ですが、人間は必ず歳を重ねていき、次第に自分以外の第三者の手助けを必要とするときがきます。その時期は人それぞれ違いますが、誰かの手助け(介護)を受けながらも「元気で、明るく楽しく」のびのびとゆっくり一生を終えるのが一番の幸せです。そんな幸せな人生生活の手助けを子供として両親にしてあげられるならばどんなに、嬉しい事です。
しかし介護とは、簡単に実行し成し遂げられることではないです。そこで、少しでも早めに将来のことを考え備えることは、とても重要といえます。では、どんな事から準備し備えるべきなのかを知っておきましょう。かならず、将来親の介護が必要となったときに手助けになるはずです。
はじめに知るべき両親の介護費用
金銭的に大きな費用がかかる介護費。いったいどのくらいの金額が介護する際に、必要となるのか?
およその平均的な介護費用をまとめてみます。それでは、まず始めに総額の費用を把握しておきましょう。
費用
一般的に必要な介護費の総額 およそ500万円(一人当たり算出)
(※全国実態調査の資料に基づく介護の平均期間54.5ヶ月で計算)
(介護用ベッドの購入や住宅の改造などの一時費用が平均69万円で計算しています)
この金額は、およその算出です。それぞれ個人個人の健康状態(介護の度合い)などや住んでいる地域(地域によっての介護費用はかなり異なります。)によってもこの費用の金額は異なってきます。
あくまでも、参考程度にとどめておいてください。
介護にかかる費用をどう支払うか?
介護にはとても「介護費」がかかります。しかし、介護する側の子供も生活がありますので、なかなかお金の問題は大変となってきます。
介護する子供の側からしてみれば全額払ってあげたいものですが、多くの家庭ではその費用を支払うのはとても大変です。
そこで、親が今まで払ってきた「介護保険」や「国民年金」などを使い支払うことです。
これが一般的な介護費用の支払い方法といえます。
これでは、足りない場合もかなり多くのケースであります。ですから、親が介護を必要としていないうちに「預金」「資産」などをしっかりと把握しておくことが重要です。
そして、親自身が払っているかもしれない保険を確認しておくことも大切です。
どのような保険に入っているのか?保険が適用となるケースはどのような場合なのか?継続しておくべきか?解約するべきか・・・などなど、保険だけでも確認しておく重要事項はたくさんあります。
親がしっかりと元気でいるうちに、現在どのような状況になっているかということを「確認」して、「把握」することが必要です。
(万が一親が、認知症や痴呆症などになってしまった場合、保険などや資産その他の金銭的なことが、とても全て把握しづらくなります。)
また、きょうだいで、親が介護を必要とした時の事なども「しっかりと話し合う」ことも需要です。シビアですが金銭問題はトラブルもおきやすいのが事実です。
事前のしっかりと下準備ものちのちの、介護する時に負担やストレスにならないようにしておくのがとても大切という事を覚えておきましょう。
いつから「両親の介護」を考えるべきか?
自分が親の年齢がだんだん増えてくると心配になってくるのが「親の介護」。では、どの位の時期から「親の介護」を考えるべきなのでしょうか?
そして、親がどの位の年齢になると「介護(ケア)」を必要としてくるのかを考えて見ることにしましょう。
親の年齢はどのくらいから?
だいたいですが、親の年齢が「60歳」以上になると「親の介護」のための備えを考える人が増えるといわれています。
そして70歳以上にもなると「親の介護を考える」だけではなく、「親の介護が必要」になってきます。
ですので、早すぎると感じる時点からでも十分によい時期だといえます。(親の介護を考える時期には適しているといえます。)
親の介護が必要になる時期は平均的に?
それでは、親の介護が必要となる時期はいったいどの位の時期なのかと、言う事を平均的な算出で示していきます。
一般的に平均とされる時期や年齢は?
一般的に平均な時期は・・・要介護認定を受け始めるといわれる75歳ではなく、80歳前後の時期が多いとされています。
一般に介護を必要とする年齢・・・80歳~となります。(平均的に85歳を超えるとそれぞれ介護する施設への入所やケアがはじまってきます。)
離れて暮らす親の場合の介護を考える時
毎日の日常で親との関わる時間によっても、将来の介護を考える時期が異なってきます。
身近に暮らしている場合(同居や近隣に住む場合)は、日常の生活においてちょっとした事に目を向けられる事はできますが、年に数回しか合わない場合やほとんど数年に一度会うか合わないかという場合といった、親との関わる時間が非常に少ない場合は、自分の目で親の変化に気が付くことが、どうしても遅くなってしまいます。
では、親と離れて暮らしている場合の介護を考える時期はどの程度が望ましいのか?それぞれの場合によって、今からどうしておくべきなのかをまとめてみました。
親と離れて暮らしている場合(近隣)
親と離れて暮らしているとはいえ、かなりの頻度で親との交流が多い場合、親の変化に気が付くことがかなりの確率で見極める事ができるはずです。
先ずは日常の生活態度などや習慣などをきっちりと把握しておく事が将来の介護が必要となったときの必要な情報になります。
【頻繁に交流を持つ事=将来の親の介護を考え始める】となっていると考えて良いでしょう。
親と離れて暮らしている場合(遠方)
とても遠方に住んで親と離れて暮らしている場合は、今の親の日常生活や習慣、そして近隣の環境を把握する事は、非常に難しく大変な事です。
ですが、この近隣環境を知ることは非常に「将来の介護を」考える上で、とても大事な事柄といえます。
なぜなら、親が住んでいる状況が「親を介護する時がきた時に問えも重要な事」であるからです。
まずは、とても離れて暮らしている場合に親の介護を考えるには、「住環境や近隣の環境」などを、しっかりと把握する。
これが、【将来の親の介護を考え始める】始めの一歩といって過言ではないでしょう。
以上のように、とても小さな事だと感じるかもしれませんが、この「小さなそして些細なこと」が「親の将来の介護を考える」ことには、とても重要な事を理解していただけたのではないでしょうか。
親の意思を確認しておく事も重要事項
いざ、介護が必要となったときに話し合いが可能ならば問題はありませんが、もしも「認知症」などを発症してしまった場合は、話し合いというものが無理です。ですので、事前に親と話し合いなどをして「介護を必要とした時にどういった介護をして欲しいのか?」「どのような生活をしたいのか?」などなどの、細かな事をしっかりと話をし把握しておく事が重要です。
この事前の意思の確認をしておく事により、介護を必要とした時に「最善の介護」を行う事が可能になりやすくなります。
日常生活などでどのようなケアを必要とする?
それでは次に具体的に「親の介護」が必要となったとき、日常での生活必要なことや日常生活をするために必要な物(家具の変え買えや、介護に必要となりうる物など)はどういったことなのか?という事をまとめていきましょう。
日常生活に必要なケア
親が必要とする介護の度合いによって違いはありますが、日々の生活での大まかなケアとは、食事の介助・トイレの介助・入浴の介助・着替えの介助・外出の介助などがあります。
それぞれ、自分でこなす事が可能な事は人それぞれ違いますが、親が必要としているケアをします。
しかしながら、少々時間がかかっても自力で行える生活の動作は自分自身で行わせてあげるのもケアの1つです。
なんでもみんな介助してあげてしまっては、さらに日常生活での介助を必要とする危険性が、高まってしまいます。出来る限り本人の意思に添ってケアをしてあげる事が最も重要です。
自分自身で行える「日常生活の動作」がたくさんあるほど、自信がつきます。先ずは日常でのどのような事が一番大変としているかを把握して「ケア(介助)」をしてあげます。こうすることにより、双方のストレス軽減も可能となるかもしれません。それぞれ、お互い(介護される側介護する側)の必要性を感じられます。この必要性を感じることは「心の介助」にもつながるはずです。「身体の介護」も大事ですが、「心のケア」も、この身体介護にもまして重要な事柄だといえます。しっかりとケアをしていきましょう。
日常生活をするための必要な物
介護をするために必要な日常生活での品目
・紙おむつ、介護用ベッド、生活に必要な住宅の改装(手すりや照明器具、呼び出しボタンなど)杖や着脱しやすい専用の靴や洋服など・・・その時々に応じて準備します。日々の日常生活で快適に過ごすために必要な物はたくさんあります。これらの日常生活に必要なものもかなりの金額がかかります。今のうちからどのくらいがかかるのか、大雑把にでも知っておくと後々の準備の計画がスムーズになります。
介護にかかる費用はどのくらいなのか?
介護の程度による、かかる費用はどのくらいなのか?大雑把に分けてみます。それぞれの詳細は、住んでいる地域や保証制度によっても異なる事です。そして、どの位の介護が必要なのかによっても人それぞれ、ここのケースによっても異なってくるので一概に正確な費用の算出は無理ですが、おおまかな費用の算出を知っておくだけでも将来いざという時に役立つはずです。
在宅介護?老人ホームなどの施設での介護?それぞれにかかる費用とは?
それでは介護するにあたり、在宅での介護(ケア)や老人ホームやディサービスなどの施設を利用した場合でのそれぞれの費用はいったいどのくらいかかるのか?だいたいの目安をまとめてみましたので、紹介していきます。参考になさってください。では、シュミレーション事例3項目をみていきましょう。
例:要介護3/支給限度額までサービスを利用/自己負担1割の場合の月額費用を算出
・在宅介護の場合(シュミレーション)
在宅介護(介護サービス利用)【持ち家のケース】
介護サービス利用料金 26931円 +介護サービス以外の費用(介護用品など)17000円
食費 36604円=およそ80535円(※家賃や水道光熱費などの諸費用は含みません。)
・老人ホームや介護付き有料老人ホームなどの施設を利用した場合(シュミレーション)
特別養護老人ホームの場合(入居にかかる一時金なし・要介護3以上でないと入所不可)
介護サービス利用料金 約25000円 + 介護サービス以外の費用(施設により設定した日常生活にかかる費用)約10000円 + 食費 約41400円(1日あたり 1380円計算1380×30日より算出)=76400円~150000円
介護付き有料老人ホームの場合(入居にかかる一時金含まないもとのして算出)
介護サービス利用料金 約25000円 + 介護サービス以外の費用(※都内のケース 家賃・利用料など費用)約100000円~300000円 + 食費 約41400円(1日あたり 1380円計算1380×30日より算出)=166400円~368311円
(厚生労働省などのサイトを参照)
最終的にどの方法が介護される側にもする側にもベストな方法か?
最終的にどの方法が介護される側にもする側にもベストな方法か?というと・・・。
親の介護をする上で最も重要なのが、介護される側も介護する側も「頑張り過ぎないで生活する。」ことです。心の問題になりますが、それはそれぞれのここの家庭環境によって異なります。自分たちはいったいどの方法がベストなのか?家族が家族らしく生き生きと生活を送るために必要なことを、しっかりと把握して「負担にならない介護。」を心がける事が一番大切です。
不安な事はたくさんあるかもしれませんが事前の準備を心がけておくだけでも、その不安要素は少しばかり軽減されるはずです。早すぎる準備はありません。いざという時のために、それなりの基礎知識と準備を始めてみてはいかがでしょうか。必ず役に立つはずですよ。