
歯のケアは大丈夫?年齢に負けない美しい歯を永く保つ秘訣とは
30代をすぎると、様々な体の変化に向き合う時期に。口の中も例外ではなく、歯周病の進行や噛み合わせのズレ、それによる顔のゆがみや姿勢のゆがみなど、口から始まる病気や不具合が多発してくる頃。10年後、20年後も美しい歯を保ち、後悔しないために今やっておきたいセルフケアや治療など、大人の「歯との付き合い方」をご紹介します。
正しい歯との付き合い方を身につけましょう
いつからか人前で思い切り笑えなくなった、なんだか歯が汚れているような気がする、歯の黄ばみや痩せた歯茎をどうにかしたい・・・こんな口元の悩みも年齢のせいだったりもします。だからこそ、今が口の中を見直すための絶好のチャンスなのです!正しい歯との付き合い方を身につけて、年齢に負けない美しい口元を保っていきましょう。
肌だけじゃない、口元が老化を加速させる!
多くの人は口と体を別に考えてしまいがちですが、口は内臓の入り口なんです。歯は食生活や運動機能、コミュニケーションと生活のあらゆる場面に関わる大事なもの。歯に自信がないと綺麗な笑顔にもなれません。健康はもちろん、美や若さなど口元にはその人の生き方が反映されるのです。
特に女性は年齢とともに唾液の分泌量が低下し、口腔環境が急激に悪化し始めます。
特に口元の3大危機は、口臭・乾燥(ドライマウス)・歯周病です。
唾液量の低下がもたらす危険信号
加齢や女性ホルモンの低下の影響により、唾液量が低下し自浄作用が低下していきます。口の渇きや味覚の低下、ものが飲み込みにくいなどの症状がでる場合も。唾液の減少は自浄作用の低下で抗菌性が下がることもあり、歯茎が下がるなどして噛み合わせに影響が出ることもあります。
口臭が強くなる
口臭の原因の9割は口の中にあると言われています。もしも使った後の歯ブラシや歯間ブラシが臭う場合は口の中に異常が起きている危険サインです。悪臭を感じるようなら歯肉炎や歯周病が進行している可能性があります。また、何年も歯科にいっていない場合、歯の詰め物や被せ物が劣化し、腐敗臭を放っている場合もあります。少しでもそのように感じたら、放って置かずに受診をしましょうね。
ストレスフルな毎日で菌が増殖
歯周病は、口腔内の細菌の攻撃力、体の抵抗力、生活習慣などが絡み合って発症し、進行します。30代40代では仕事や育児、家事などでストレスが多い世代。ストレスフルな生活の中で免疫力が落ちてくると、口の中の悪玉菌が暴れ出します。しっかりと歯を磨いていても、口腔内環境が悪化する場合があることを心得ておきましょう。
「まだ大丈夫」では間に合わない?!
急増する歯周病の恐怖
歯周病は全身病とも呼ばれていて、その影響は糖尿病や動脈硬化、認知症など全身に及びます。逆に、病気が歯周病を悪化させることもあるなど、体との繋がりは密接なのです。骨粗しょう症になっている人は、歯周ポケット内に炎症性物質が出やすくなり、その結果歯周病が進行しやすくなったり歯槽骨がもろくなったり、歯がぐらついたり抜けたりするリスクが高まることが最近の研究で証明されています。また肺炎、心疾患、脳卒中や早産、低体重児出産なども歯周病と関係があることがわかってきています。歯周病はそれくらい恐ろしい病気なので、放っておいては絶対にいけないのです。
歯だけで見た目も健康も差が出る!
歯だけで見た目も健康も、10年後20年後に差が出ます。たかが歯と侮ってはいけません。歯が健康でない人は様々な部分で老いが加速します。高齢者の多くが「若い頃にもっとメンテナンスをしておけばよかった」と話すと言います。30代40代は今こそケアのし時なのです。
健康でない歯のままでいると、
・姿勢が崩れる
・顔がたるむ
・噛めなくなる
・思い切り笑えない
・全身疾患に影響
このようなデメリットが生じます。
一方、歯を健康にすると
・姿勢が良くなる
・フェイスライン・横顔も美しくなる
・しっかり噛める
・唾液や若返りホルモンの分泌がアップ
・美しい笑顔
・老化や病気の予防に繋がる
などメリットがたくさん。
「まだ大丈夫」と思わずに、積極的に歯の健康を高めていく必要があります。
今までのケアでは通用しない?大人世代は口元再学習期です
こまめなメンテナンスが美しい口元を叶える
少し前までは「歯が悪くなったら歯科を受診する」という考えが一般的でしたが、まずはこの意識を変えることが第一歩です。大人世代はどこか悪いから行うのではなく、将来を見据えたケアやメンテナンスを考えるべき。特にしっかり予防したいのが歯周病。30代〜の発症が多く、知らぬ間に進行している人が多いのが特徴です。
健康で美しい歯と口を維持するためには、セルフケア、最適な治療、メンテナンスのどれが欠けても成立しません。セルフケアでは、菌を増やさない、免疫力を上げておく、噛む力を鍛えるなどが挙げられます。さらに美しく若々しい口元をつくるには「3つの”S”」と呼ばれる「スタイル・スマイル・スピーチ」が大切です。まず、美しい姿勢は正しい噛み合わせや呼吸から作られます。次に笑顔で免疫力をアップ。口角をきちんと上げて笑顔を作ると、頬や唇など口元のあらゆる筋肉を使うことになります。これが噛む力や歯を支える筋肉を作る上で重要なので笑顔は常に意識するべき。また、明るく美しい言葉を話すことは、心も美しく若返らせます。
歯科への通院は”予防主体のケア”にチェンジして、歯科ドックを受けるのもおすすめ。今の自分の歯の状態をしっかり把握しておくことで、年齢や歯の状態を踏まえて、将来どんなことが起こりうるのか、それに対してどう対策をとっていけば病気やトラブルを防げるのかなど・・自分の口の中の弱点を知り、プロにセルフケアの方法や治療のアドバイスをもらうのが歯科ドック。先手を打つために歯科ドックを受けてみましょう。
歯茎の出血は危険信号です
歯茎の出血はまさに危険信号。「いつものことだし」なんて放っておいてはいませんか?歯茎からの出血は、「そこに悪玉菌が繁殖してるよ」、「歯周病菌が毒素を出して、歯茎が炎症を起こしているよ」というサインです。歯周ポケット内に歯周病菌が繁殖すると毛細血管に歯周病菌が侵入し、菌血症という血液感染を起こします。そして歯周病菌が血管の内皮を傷つけ、炎症を起こし動脈硬化病変を起こし出血してしまうのです。進行する前にしっかりケアをすることが大事なのです。
予防の要は「菌のコントロール」
何かとストレスが多い、唾液量が減ってくる、歯周病も進行中と、大人世代の口の中は菌が増えやすい環境にあります。しかも虫歯菌と歯周病菌は常在菌なのでゼロにすることはできません。しかし一方では、口の中にも自然治癒力があり、それを助けるのが唾液です。唾液には、抗菌、粘膜保護、消化、再石灰化、自浄作用があります。「菌のコントロール」で大切なのカギとなるのは、普段から唾液を出しやすくしておくことです。また、口の中が乾燥していると最近が増えやすく繁殖してしまうので口呼吸は禁物ですよ。もし口呼吸をしているな、と感じる場合は直すように心がけましょう。そのほかにも菌が繁殖しやすい舌のケアを行ったり、専用のサプリメントを摂取したり、ガムを噛む習慣をつけることも「菌のコントロール」には効果的です。
唾液分泌をサポートするアイテム
唾液が不足すると菌が繁殖して歯周病悪化や口臭の原因に。唾液分泌をサポートしてくれるお助けアイテムを上手に使いましょう。
”舌ブラシ”
出典:Amazon
舌ブラシ ゴシレ Gosearです。舌の細菌は口臭の原因になりやすく、そこで舌ブラシが有効に。口臭の原因の6割は舌苔によるものなので、舌のケアも是非積極的に行いたいところです。舌をベーっと伸ばし、専用ブラシを使って舌を傷つけないように白い部分や黄色い部分(舌苔)を軽く取り除きます。舌ブラシを取り入れるだけでもかなり口腔内環境が改善するので、おやすみ前の歯磨きの際などに一緒に使いましょう。
”ロイテリ菌サプリメント”
出典:Amazon
1日1粒なめるだけで、手軽に口腔内のバクテリアセラピー(菌活)ができる乳酸菌サプリメントです。
ロイテリ菌(L.reuteri DSM 17938株)はヒト由来でお口からはじまる消化管に定着しやすく、天然の抗菌物質「ロイテリン」を出して悪玉菌を抑制します。毎日続けやすいナチュラルミント味で、歯みがき後にも摂取することができる成分です。サプリメントも上手に活用していきましょう。
”キシリトールガム”
出典:Amazon
ロッテ キシリトールガムです。ガムを噛むだけで唾液量が大幅に増やすことができます。唾液量が少ないと感じたらガムを有効活用しましょう。口腔内の環境だけでなく歯を丈夫に健康に保ってくれます。
歯磨きは歯周病対策を念頭に置いて
歯磨きで取るべきは食べカスだけではありません。取るべきは細菌・歯垢です。しっかり歯磨きは最低でも1日1回は必要。寝ている間は菌が繁殖しやすいので、夜はしっかり磨くようにしましょう。バスタイムに20分ほどかけて磨くのもおすすめ。また、デンタルフロス(糸ようじ)を使うと、悪玉菌をコントロールできるレベルが格段に上がります。また歯茎が綺麗なピンク色に変わり、見た目にも大きな変化が現れます。フロスの使い方やアイテム選びに関しては歯科医院でアドバイスを受けるのがベター。さらに前述した舌ブラシやサプリメントも加えることで、ケアのレベルを上げることができます。
・朝の歯磨き
朝食後ではなく起きた直後に磨くようにしましょう。起きた直後の口の中は一日の中でもっとも細菌が繁殖している状態です。
・昼の歯磨き
さっと汚れを落とす程度でOK。昼の歯磨きはエチケットやリフレッシュ目的でさっと磨く程度でいいでしょう。
・夜の歯磨き
フロスも使って10分を目標にクリーニングしましょう。しっかりとクリーニングすることでリフレッシュにも。一日に1回はゆっくりと口の中を綺麗にする時間を持つよう習慣づけましょう。
歯磨き剤を選ぶときの成分の目安は?
自分にぴったりの歯磨き剤を選ぶには、ケアの目的にあった成分が含まれているかを確認するようにしましょう。歯科医院でアドバイスをもらうのもおすすめです。
虫歯を予防したい場合には”フッ素”、歯肉炎や歯周病を予防したい場合や口臭が気になる場合には”消炎成分(グリチルリチン酸ジカリウム)”、知覚過敏を感じる場合には”知覚過敏抑制成分(硝酸カリウム)”が含まれた歯磨き剤がおすすめです。
歯を食いしばってはいませんか?
食いしばりが強いと、歯周病の悪化や口臭が強く出る原因にもなります。今、あなたの上の歯と下の歯はくっついていますか?離れていますか?離れているならOK。上下の歯がいつもくっついていたら、噛み締め癖に注意が必要です。常に歯を噛み締めていると、歯茎の血流が悪くなるだけでなく、奥歯周りの筋肉が硬くなり、エラが張ってきたりほうれい線が深くなってきたり、肩こりが気になるようになるなど悪影響を及ぼします。老化とは柔軟性がなくなること。深呼吸を時々行うなどして口元をリラックスさせるのも老化に効果があります。美も視野に入れて、歯の食いしばり習慣を改善するようにしましょう。
噛む力・飲み込み力を鍛える
食事の際に噛むことにはたくさんのメリットがあります。
・消化吸収を助ける
・唾液が出る
・表情筋が活性化されフェイスラインが美しくなる
・脳が活性化される
・ストレス発散効果
・抗菌効果
等々良いことづくめなんです。
柔らかい食事を好む人は、噛む力が弱まり、噛み合わせが悪い可能性があります。噛む力を身につけるには、やはり食生活が大切です。歯ごたえのあるものをゆっくり食べること、野菜や肉・魚などのタンパク質もしっかり取ることがアンチエイジングに効く食べ方です。噛む力を鍛え、ゆっくり食べ、唾液をたくさん出すようにすると虫歯や歯周病になりにくくなり、同時に食べ過ぎを防ぐことにも繋がり一石二鳥なのです。
3ヶ月に1度はプロのメンテナンス
噛み合わせの調整や、セルフケアでは落としきれなかった歯石や歯周ポケットのクリーニングなどを定期的に行ってもらうことをオススメします。定期的に口の中を見てもらえるホームドクターを見つけておくと心強いですね。
永く付き合える健康な歯を手に入れて
今回は大人の「歯との付き合い方」をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか?美しく若々しい、健康な歯は一生の宝。将来を見据えたケアで大切に守っていってくださいね。