幼児期のやる気スイッチをオンにするために親ができることとは?

一歳から小学校に入学する前までの幼児期は、できる事がたくさん増え成長を嬉しく感じる反面好き嫌いもはっきり出てきます。

やりたくないことに対して意欲を無くしてしまう場面も出てきて、親は大変に感じるかもしれません。

しかし幼児期の間にやる気スイッチをONにできると、大きくなってからのモチベーション形成にも役立ちます。

幼児期の子供のやる気スイッチがOFFになるのはどんな時?


幼児期の子供のやる気スイッチをONにするために親ができることを紹介する前に、子供のやる気スイッチがOFFになってしまう原因について考えておきましょう。
幼児期の子供は遊びや好きなことに対しては常に意欲的で、大人から見れば「どうして疲れないの?」と不思議に思うくらい全力で楽しむ姿が見られます。
一歳を過ぎれば嫌いなことをやりたくない気持ちもしっかり芽生えて、歯磨きやお風呂など自分の苦手なことに対して「嫌」とアピールができるようにもなります。
家庭ではもちろん、保育園や幼稚園に入ると興味のないことが明確に分かるようになってくるので、パパやママにとっては心配が増えるかもしれませんね。
そこで、親から見て幼児期の子供のやる気スイッチをONにしたいと思う瞬間はどんな時なのかを調べてみました。

<家庭での生活>

  • 朝なかなか起きられない
  • ご飯を集中して食べない
  • 歯磨きやお風呂などの生活習慣を嫌がる

<保育園や幼稚園での生活>

  • みんなで同じことをする時間に集中できない
  • 友達の中に入って遊ぶのを嫌がる
  • お絵描きやひらがなの練習を嫌がる
  • 苦手なことがある日は登園拒否をする

どれも小さい子供にはよくある行動ですが、毎日向き合っている親としては大変なことばかりですよね。

まだまだ成長段階なので仕方がないと思うかもしれませんが、上手にやる気スイッチを押してあげれば改善することもたくさんあります。

何より子供自身もなかなか思うように進まず、やる気スイッチの入れ方も分からないままもどかしい思いをしているのかもしれません。

そこで、親がやる気スイッチをONにする手助けができれば、将来的にも自分でモチベーションをコントロールするのが上手な子に育つと言われています。

親が子供の気持ちを上手く切り替えられる「やる気スイッチ」をONにする方法を紹介します。

生活リズムを整える

やる気スイッチをONにする生活リズムとは?

子供のやる気を出すには、生活リズムを整えることが基本となります。
毎日の寝る時間や食事の時間は日によってバラバラになっていませんか?
子供が「朝なかなか起きられない」「夜寝付きが悪い」と悩むパパやママは多いようです。
普段から大人の都合に合わせてしまい起床、就寝時間が遅くなったり早くなったりしていないか見直してみましょう。
睡眠時間が足りないことが原因で、朝なかなか起きられずにやる気が出ない子供もいます。
すると、朝ごはんもしっかり食べられなかったり、日中に長時間お昼寝をしてしまうなど生活リズム全体が乱れてしまう原因に。
慢性的に睡眠不足になってしまうと、頭がぼーっとした状態が続き一日中やる気が出ないこともあります。

生活リズムを整えるコツは?

毎日起きる時間と寝る時間を決めましょう。
子供にも毎日「9時に寝るから遊ぶのはあと少しね」などと事前に声をかけてあげると、だんだん寝る時間を意識できるようになります。
また、朝も同じ時間に起こすようにすると、生活リズムが整いスムーズに起きられるようになってきます。
生活リズムが整えば、自然と朝ごはんもしっかり食べられるようになり排便のリズムも整うなど体がシャキッと動くように。
近年、子供の睡眠不足が問題となっていますが、生活リズムを整えることはやる気スイッチをONにする為にも基礎を作る大切なポイントです。

子供のタイミングに合わせる


やる気スイッチをONにするタイミングとは?
毎日のタイムスケジュールを見てみると子供に合わせて生活している時間はどのくらいありますか?
1日の限られた時間の中で何もかも子供にタイミングを合わせて進めていくのは難しいですが、子供にもやる気が出ないタイミングがあることは受け入れてあげましょう。
眠い時、遊びたい時には他のことをやるように言ってもなかなか上手くはいきません。

パパやママも忙しく、仕事や家事に追われる中で子供のやる気が出るタイミングを待つのは難しいかもしれませんが「待つ」というのはやる気スイッチを入れるのにとても重要な行動です。
例えば、子供が遊んでいる時に親が自分の用事を済ませたタイミングで「もう寝る時間だから片付けなさい」と声をかけます。
すると、子供にとっては「まだ遊びたいのに」「ここまではやりたかった」など自分のやりたかったことを中断されて、モチベーションは下がりお片付けに対するやる気はなくなってしまいます。

それを繰り返していると子供はお片付けがどんどん嫌いになり、親からすれば「お片付けができない」とガミガミ言ってしまう悪循環に陥ってしまいます。

子供のタイミングに合わせるコツは?
子供が遊んでいる時は、急に中断してしまわないように様子を伺いましょう。
寝る時間が迫ってくると焦る気持ちも分かりますが、遊びを中断してしまうとお片付けがスムーズにいかなくなってしまいます。

子供のタイミングを待ってキリの良いところで声をかけた方が、スムーズに進んで結果的に時短になることも多いですよ。

また、少し早めから「もうそろそろお片付けだよ」「あとどれくらいでお片付けできる?」などと、子供が時間を意識できる言葉をかけてあげるのも効果的です。
お片付け以外にもトイレトレーニングやお勉強、習い事の宿題などは子供のタイミングに合わせて進めた方がやる気スイッチが入りやすく親も子もストレスが軽減されます。
すると子供もやる気スイッチが入った時には集中できると分かってくるので、小学生になっても毎日の宿題が自分のタイミングでスムーズにできるようになります。

褒めてのばす


やる気スイッチをONにする褒め方は?
子供のやる気スイッチがONになるために、とても効果的なのはたっぷり褒めることです。
子供のことが心配なあまり、つい悪い部分ばかりが目について指摘ばかりしてしまっていませんか?

日常生活の中で子供のできていないことを注意し続けるより、ある程度は目をつぶって見守りながらできた時に思いっきり褒めてあげるようにしましょう。
すると子供はできて褒められたことで自信がつき、もっと褒められたいと思い苦手なことに対してもやる気スイッチが入りやすくなります。

上手に褒めるコツは?
「すごいね」「上手だね」という褒め言葉は、すでによく使っているパパやママは多いですよね。
もちろん、それだけでも十分に子供も喜んでくれるかもしれませんが、やる気スイッチをONにするにはもう少し具体的に声をかけてあげると効果的です。
例えばお片付けの場合「上手にできたね」だけだと、自分が散らかした場所がきれいになったから褒められたのか、ママの言うことを聞いたから褒められたのか理由がはっきり伝わりません。
「おもちゃを元の場所に戻せてえらいね」など、子供が何をしたから褒められているのかを分かりやすく伝えましょう。
するとお片付けの上手なやり方は元の場所に戻すことだと分かり、次からも上手に片づけることができます。
具体的に褒めることで子供がやる気を出してくれるだけでなく、親がして欲しいことを子供に伝えられる効果もあります。

ありがとうを伝える


やる気スイッチをONにする伝え方とは?
子供は褒められるのと同じくらいパパやママから「ありがとう」と言われるのが大好きです。
子供ながらにパパやママの役に立ちたいと思って頑張る姿は本当に可愛いですよね。
なかなかやる気スイッチが入らず嫌々やっている時でも、親が「ありがとう、自分でやってくれて助かったよ」と声をかけるだけで「もっとやってあげたい!」と気持ちが切り替わる子供は多いようです。

ありがとうを伝えるコツは?

勉強や生活習慣は、本人のための身に付けることなので親が「ありがとう」と言うのに違和感を感じるかもしれません。
そんな時には「ママ、すごく嬉しいよ」と伝えるのも効果的です。
例えば、自分で着替えができたときには「ありがとう」だけではママのために着替えをしたように感じてしまいます。
「自分でできるようになってママは嬉しいよ。がんばったね。」などとできるようになったことを一緒に喜ぶような言葉をかけましょう。
お勉強ができた時にも「できるようになってよかったね」と言うよりも「できるようになってママも嬉しいよ」などと気持ちを共感するような言葉をかけるとやる気スイッチが入ることもあります。
自分のしたことでパパやママが喜んでくれているというのは子供にとってやる気を出す活力になります。
「ありがとう」「嬉しい」を子供に伝えるように心がけましょう。
ただし親の言うことを聞いてくれたから「嬉しい」「大好き」と子供が受け取るような言い方をすると、子供が条件付きで愛されているように捉えて親の顔色を伺うようになることもあります。
あくまでも、共感したり感謝する気持ちを伝える言い方を意識するようにしたいですね。

指示をするような言い方をしない


子供のやる気スイッチをONにする話し方とは?
「片づけなさい」「早く着替えて」「先に宿題をやりなさい」など子供に指示するような語りかけは、やる気を失わせるきっかけになることも。
幼児期に親の指示に従うことが当たり前になってしまうと、指示を待って言われたとおりに行動する習慣が身に付いてしまう恐れもあります。
親の言ったことを聞いてくれると、スムーズに進むように感じるかもしれませんが自分の意志で行動する力が養われないと困ることも多いですよね。
パパやママから教えてあげるべきこともたくさんありますが、子供には自分で考えて行動させてあげることも成長に必要なことです。

指示をせず伝えるコツは?
子供の意思も確認しながら伝えられるように、質問するように話すのも効果的です。
例えば食事がなかなか進まない時には「早く食べなさい」と指示するよりも「どれは食べられる?」「もうすぐ出かける時間だからそれまでに食べられそう?」など子供の返事にいくつか選択肢があるような声かけをしてみましょう。
他にも「先にこっちをやってみない?」「遊びが終わったらお片付けしようね」などと誘うような話し方もおすすめです。
指示されて仕方なく行動するのと、自分で考えて行動できるのでは身に付く行動力が全く違うということですね。

保育園や幼稚園では無理をさせない


保育園、幼稚園でもやる気スイッチをONにするには
同世代の子供たちと集団生活をするようになると、親としては他のお友達より出来ていない部分が目についてしまうのではないでしょうか。
子供たちはそれぞれに得意、不得意があるので気にし過ぎないように子供の様子を見守り守ることが大切です。
歌を歌う時間に一人だけ歌っていなかったり、みんなで座って絵本を読んでもらっているのに全く興味がなさそうに違うことをしている姿を見ると、親としてはやる気がないように感じるかもしれません。
しかし、幼児期はまだまだ心が育つ最初のステップです。
無理に他の子供と同じようにさせようとせず、できるようになるのを待ってあげたいですね。

保育園、幼稚園でやる気スイッチをONにするコツは?
先生に親から見た子供の性格をよく伝えておくといいでしょう。
先生やお友達から「一緒にやろう」と声をかけてもらうと嬉しい子もいれば負担に感じてしまう子供もいます。
無理をしていると登園拒否をするようになるケースも考えられるので、家でも園での様子を聞いたり子供の様子をよく見ておきましょう。
子供が自分で考えて行動する力を身に付けるためには、親が何もかも先回りして行動するのはNGです。
あくまでも見守るという形で、子供が負担に感じている様子があれば親から先生に相談するなど保育園、幼稚園との連携も大切意識しておくと安心です。

やる気スイッチをONにできれば生きる力も養える


子供のやる気スイッチをONにするには、まずスイッチの場所を探すことから始まります。
やる気スイッチと聞くと学生になってから勉強をする時に必要なものだと思われがちですが、突然受験の時にスイッチをONにできるほど簡単なことではありません。
幼児期からやる気スイッチをONにするためのモチベーションを身に付けることで、将来的にも自然とできるようになります。
そのためには親がレールを敷いてあげるのではなく、やる気スイッチを探しながら見守りサポートをしてあげるのが理想だと言えるのではないでしょうか。

関連記事一覧