豪華客船で行く船の旅、華麗なるクルーズの世界へようこそ

皆さんは、知人から「旅行に行ってきた」と聞いたら、まず何を質問しますか?
大半の人は「どこに行ってきたの?」と聞き返すのではないでしょうか。
旅行先が一番の目的で、行きと帰りは単なる移動時間。
もし、その移動時間ごと素晴らしい旅の思い出に変わるとしたら素敵ですよね。
そんな豪華客船の旅、未知なるクルーズの世界をご案内します。

拡がる旅行の選択肢としてのクルーズ


もっと気軽に誰でも利用できるスタイルへ
豪華客船での船旅の印象はというと、そもそもよくわからないという声や、一部の富裕層の旅行スタイル、はたまた定年後のプレゼント的な位置づけと考える人もいるかと思います。しかし近年、誰でも気軽に利用できる旅行スタイルとして注目されています。その理由としては、メニューが多彩になったことが挙げられます。リーズナブルな価格設定や、キッズルームの設置、ベビーシッターの配備など、旅行プランにより様々なサービスを設け、家族で楽しめるプログラムが拡がっています。

また、外国客船による日本発着の日本近海航路が増えたこともそのひとつでしょう。
外国客船を取り扱う日本の総代理店も増え、多くの旅行会社がクルーズを盛り込んだツアーを展開しています。今までは、外国客船に乗るためにはヨーロッパやアメリカなど現地にまず飛ばなければいけませんでしたが、横浜港や神戸港から乗ることが出来るようになったことも追い風になっています。

クルーズならではの魅力


移動時間中も旅本番を楽しむ
近年身近なものになったクルーズですが、人気の理由はそれだけではありません。例えば、移動するためだけの時間が非常に少ない、ということもクルーズならではのメリットといえるでしょう。客船はいわば”動くリゾートホテル”。目的地に向かう間にも、食事を楽しんだり、スパでゆっくりくつろいだり、自分の部屋で休んだりと、それぞれが自分の好きなように過ごします。移動時間の間も「休暇」なのです。
車や電車などで移動して1~2泊ずつ宿泊地を変える旅行の場合は何かと慌ただしくなりますが、クルーズなら寝ている間に運んでもらえるので効率が良いこともポイントです。

このように移動手段がそのまま宿泊施設でもあるので、一旦乗ってしまえば帰りまで面倒な荷造りもチェックアウトも必要ありません。周遊型の旅行の場合は、ホテルを変えながら移動するのが一般的ですが、クルーズなら周遊しながらでも、荷物は客船内の自室に置いたまま旅行が楽しめるのです。また海外の寄港先では、ほとんどのエリアでパスポートの携帯が不要なので、盗難による被害が少ないことも安心材料といえるでしょう。

船内の多彩な設備で、思いのままに過ごそう
豪華客船の魅力といえば何といっても、その充実した設備にあります。様々なアクティビティが楽しめるので「船旅は退屈そう…」なんて想像している人がいたら、「これが船内?」と、うれしい驚きがあるかもしれないですね。以下に大型客船に見られる主な設備をご紹介します。

・スポーツコート
最上階のデッキにはスポーツができる施設を用意しているものが多く、パドルテニス、パターゴルフ、バスケットボール、卓球などを楽しむことができます。トーナメントのイベントとして催されている場合もあり、参加するとちょっとした大会気分を満喫できそうですね。また最上階にはウォーキングトラックやジョギングトラックを設けていることが多く、潮風に吹かれながら体を動かすことは想像以上に爽快感を味わえることが伺えます。

・プール&ジャグジー
大型客船のほとんどに見られるプール&ジャグジーは、最上階もしくは吹き抜けの陽光あふれるスペースに設けられています。タオルはデッキで貸し出しているので、客室で水着に着替えて上着をはおって出かけましょう。
また前出のスポーツコートも同様に、熱中するあまり気がついたら顔が赤くなってしまった…なんてこともあるそう。日焼け止めなど事前の準備をお忘れなく。

・スパ
各種マッサージやフェイシャル、サウナなど美と癒しの効果が高いスパ。ストレス解消や疲労回復にもおすすめです。完全予約制、別料金となっています。

・ライブラリー
ほとんどの客船に設けられています。終日航海日などには、深々としたソファに腰を下ろし読書にふける…こんなゆったりとした時間を過ごすのもいいですね。なお外国客船には日本語の本はほとんど置いていませんので、持参すると良いでしょう。

・シアター
日本の客船では、映画を観る場所としての名称として使われていることが多いでしょう。外国客船では”シアター”とは、船内で最大の人数を収容できる施設のことを指します。ここでは、キャプテン主催のウエルカムパーティーや、大人数が参加できる各種イベント、ナイトショーなどが繰り広げられています。なお、基本的にショーの写真、ビデオ撮影は禁止されていますのでご注意ください。

・カジノ
ルーレット、ブラックジャック、スロットマシーンなど、本格的なカジノゲームができる設備を備えています。利用は自費になります。なお、日本籍船は、18歳未満は利用不可、加えてチップ及びコインを現金や記念品に交換することはできませんが、本格的な雰囲気が味わえるでしょう。外国籍船に乗船の場合は、くれぐれもスマートな大人の遊びを心掛けたいものですね。

・その他
大浴場(日本籍船)、スポーツジム、美容室、教会・挙式、バー、ラウンジ、レストラン、インターネットカフェ、各種ショップ等
※各船による

以上主な設備をご紹介しました。ひとつひとつを満喫していたら思わず船から降りられなくなりそうですね。
ここまでご紹介しまして、いまひとつピンとこない箇所はありませんでしたか?
「パーティー」や「ショー」とは、一体何をしているのでしょうか。日本人には馴染みがない習慣だけに気になりますよね。
次に船内ならではのパーティーやショーについてご案内します。

豪華客船だけのお楽しみとは


気分は社交界デビュー!?パーティーに参加しよう
一般的な海外旅行と違い、船旅には様々なパーティが催されます。なかでも印象的なフォーマルナイトと呼ばれる盛装の日は、夕方以降タキシードやイブニングドレスに身を包んだ乗客たちでシアターは溢れます。なお、パーティーの情報とドレスコードは船内新聞で案内されるのでしっかりと目を通しておきましょう。
以下に代表的なパーティをご紹介します。

・キャプテンウェルカムパーティー
キャプテンが主催する歓迎の意味を込めた、船客同士や士官、クルーズスタッフの顔合わせパーティー。乗船後2、3日後に行われることが多く、通常ドレスコードはフォーマルが案内されています。キャプテンパーティーでは、入り口に船長が立ち船客を迎えるところから始まります。シャンパンやカクテルが振舞われ、談笑する人たちやダンスを楽しむ人で賑わう。そして頃合いをみて照明が暗くなり、正面ステージでは船長による上級士官、ホテルマネージャーなどのクルーズスタッフの紹介が行われます。

・フェアウェルパーティー
下船前日もしくは2日前に行われるお別れパーティー。内容は各客船により様々で、ディナー時にウエイターによるパフォーマンスや乗客とスタッフが交流しながら楽しむプログラムが行われたりします。何日間も共に過ごした旅の仲間とのお別れに、名残惜しさを感じることもあってか大変盛り上がります。

いかがでしょうか。パーティーとは「人と人との出会いの場」。ただ飲食をするだけではなく、人と会話を通して楽しむ時間です。
参加は自由ですが、ぜひ体験してみることをおすすめします。きっと心に残る旅の思い出になることと思います。

華麗な歌とダンスのショータイム
クルーズのショータイムの醍醐味は何と言ってもステージと客席の一体感にあります。ダンサーやシンガーの息遣いや胸の鼓動までもが伝わってくるような迫力に目を奪われることでしょう。
ショーの内容は客船や旅行プランにより様々で、バラエティーに富んだショータイムが展開されています。これらは乗船料金に含まれていますので、この機会に本格的なショータイムを堪能できるのもいいですね。席は基本的に自由席なので、気になるプログラムの場合は早めにシアターに向かうことをおすすめします。
またショーによっては客席から引っ張りだされてステージに立つ場合もありますので、そのようなことが苦手な人は前の方の席は避けるとよいでしょう。
では以下に主なショーの内容をご紹介します。

・プロダクションショー
洋上のナイトタイムを彩る「歌とダンスのパフォーマンス」。
専属のダンサーやシンガーが中心となって本格的なエンターテインメントを披露します。大型客船では、ライトアップや舞台装置など演出にも趣向を凝らしています。

・ソロアーティスト
ピアノやバイオリンなどの演奏や、テノールやアルトなどのオペラ歌手、ジャズボーカリストなどのステージを行います。

・その他
マジックショーやコメディーショー、寄港地にちなんだダンスなどのショーが用意されています。

クルーズコースと旅費について


世界一周旅行からワンナイトクルーズまで多彩な旅行プラン
船旅と言えば豪華世界一周旅行、憧れますよね。とはいっても、旅費は最低でもひとり200万以上、旅行期間は100日前後は掛かりますので現実問題子育て世代には予算的にも時間的にも夢のカテゴリーであることは否めません。

しかし、船旅はそれだけが醍醐味ではなく、気軽に参加できる一週間程度の旅行日程や、ワンナイトクルーズなど多彩なプランも用意されています。

例えば一週間程の旅行ですと、神戸発着で沖縄、宮古島、石垣島、台湾を巡るプランや、神戸または横浜発着で韓国を寄港地に交ぜたプランなどがあります。また神戸発着父島クルーズのような、終日航海日や現地停泊などを盛り込んだ、滞在型にも似たゆったりとしたクルーズライフが楽しめるプランなども見られます。
そのほか国内の様々な寄港地を巡るプランを展開しています。

3~4日以内では主に国内を周遊するプランが充実しています。出港地も横浜、名古屋、神戸、仙台と幅広く、向かう先は北海道、東北、近畿、四国、九州方面と各プラン毎に多彩な寄港地が組まれています。そのほかには、横浜港を出港して房総沖をぐるっとループするように終日航行し、また横浜港に入港するような船上での楽しみにフォーカスを当てたプランなどもあります。

また初めてのクルーズ体験におすすめのワンナイトクルーズは、神戸発名古屋着や名古屋発横浜着、横浜発仙台着などが用意されており、まさしく一夜限りの夢のプランになっています。

旅行代金に含まれるものとは
旅行代金(乗船料)には、基本的に朝・昼・夕の食事と船内でのショー・パーティー(一部有料)料金が含まれています。
海外クルーズの場合の港湾諸税、船内チップ、エクスカーション(寄港地でのオプショナルツアー)などは船会社によって異なりますので確認が必要です。
日本船籍の場合は、港湾諸税、船内チップは旅行代金に含まれるもしくは不要(船内チップ)である場合が多いでしょう。

ところで旅行代金とひと口に行っても、一般の旅行と同様に客室(船室)のタイプで価格は違います。大型客船の場合は、客室の種類が多く10タイプ以上に分かれていますので、どの客室を選ぶかによって旅行代金は大きく上下します。
具体的には、客室が船体のどこに位置しているか(階層、前方、中央、後方)、窓付きの外側、内側、ベランダの有無、部屋の広さ、インテリアの仕様などの要素によって価格が分かれています。
日中、共有スペースで多くを過ごすことが好みの人は、必ずしも高価格帯の部屋である必要はないかもしれません。しかし真上の階に夜遅くまで稼働しているダンスフロアなどがあったり、近くにエレベーター、エンジン室、ボイラー室などがあると少なからず音の影響がありますので、気になる人はこれらの事柄を参考にして選ぶと良いでしょう。

クルーズで新鮮な旅の体験を


時間をかけて自分好みを探していこう
以上、豪華客船での旅をご案内しましたが、もし少しでも興味を持っていただけたなら実際にいくつかの旅行プランを見てみましょう。客船、価格、コースなどを元にまずは1週間以内のプランで始めるのがおすすめです。実際に経験することで、次はこうしようなどと自分なりの好みが現れてくるでしょう。

旅行というとこれまでは、「行った、見た、買った」で帰ってくることが多い印象があり、それはそれで十分楽しいのですが、豪華客船の旅はそれとはまた違った良さを味わえることと思います。

ちょっと気取って華やかに、リラックスとリフレッシュ、
クルーズスタッフや乗客同士との語らい…

豪華客船ならではの、”夢の世界” あなたもぜひ体験してみてください。

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