
言うことを聞いてくれない子供の接し方は?叱らずに伝える方法
「叱らない育児」という言葉をよく耳にしますが、何度言ってもいうことを聞いてくれない子供に対して「本当に叱らずに伝わるの?」と不安な気持ちもあるのではないでしょうか?
そんな不安を解消するために、子供に対して叱らずに伝える上手な接し方について紹介していきます。
叱り方が難しいと思うのはどんな時?
子供のために叱ることは決して悪いことではなく、間違った叱り方や伝わり方をしてしまうと子供に本当に伝えたいことが伝わらなくなってしまうということが問題です。
子供が何度言ってもいうことを聞かない時は、パパやママも上手くいかずにイライラしてつい感情にまかせて怒ってしまうこともありますよね。
そこで子供が言うことを聞いてくれない時の接し方を知る前に、子育て中のパパやママはどんな時に子供の叱り方が難しいと感じているのかを調べてみました。
<子供の叱り方に悩むのはどんな時?>
- 公園などでケガをしそうな危ないことをした時
- お片付けなどの家庭での約束を守れない時
- お友達と喧嘩をしてしまった時
- 親が疲れている時に感情的に怒ってしまいそうな時
危ないことをした時や約束を守れない時は、何回も同じことを繰り返すのでどう叱ればいいのか難しいと感じているパパやママが多いようです。
日常生活の中で毎日のように同じことを注意していると、叱り方が間違っているから繰り返してしまうのではないかと不安になりますよね。
何度言ってもいうことを聞いてくれない原因や、子供に対して効果的な接し方などをパターン別に見ていきましょう。
公共の場所で子供が言うことを聞かない時
何度も危ないことを繰り返す原因は?
外出中に歩道や公園などでケガにつながるような危険なことをしたり、電車やショッピングモールなど人が多く集まる場所で走ったり大きな声を出してしまうなど子供がルールが守れずにヒヤヒヤしてしまう場面も少なくありません。
危険な時ほど親は感情的になり、強く「危ない!」「やめなさい!」と叱ってしまいますよね。
しかし、子供にとって外の世界は刺激がいっぱいで興味があるものであふれています。
まだ大人のように周りを見て落ち着いて行動することは難しく、悪気なく周りを気にせず動き出してしまうのは子供によくあることです。
何度も危ないことをする時の接し方は?
一歩外に出てしまえば周りに気になるものがたくさんあり子供の注意力は低下してしまいます。
できるだけ外出をする前に、外での過ごし方や出かける場所でしてはいけないことについて話しておくようにしましょう。
もし危ないことをしてしまった時にたくさんの人が見ている前で叱ってしまうと、子供にとっては「恥ずかしい」という気持ちが大きくなってしまい本当に伝えたいことは耳に入っていないこともあります。
外で子供に対して注意する時には、他の人が聞いている場所で感情にまかせてきつく叱らず子供にだけ聞こえるように伝えてあげた方が効果的です。
外出中は家の中にいる時より危ないことを何度も繰り返してしまうかもしれませんが、きつく叱るよりもルールを守れた時に褒めてあげた方が外での過ごし方に対する自覚が芽生えるきっかけになります。
家庭内での約束が守れない時
家庭内での約束が守れない原因は?
食事中のマナーやおもちゃのお片付けなど日常生活でのしつけについては、しっかりできていないと子供が将来困るのではないかとパパやママにとっては心配になりますよね。
毎日同じことを言っているのに言うことを聞いてくれなくても、子供は反省していないというわけではない場合がほとんどです。
親としては「反省しているならどうして繰り返すの?」と頭を抱えてしまいそうですが、子供にとっては単純に楽しいから何度もやってしまう、やりたくないから何度言われてもできないという気持ちが強いということです。
他にも、自分を見て欲しくて叱っている時のパパやママの反応を楽しんでいるパターンも考えられます。
また、幼稚園や保育園、学校などで気を張って頑張り過ぎてしまうタイプの子供は、その反動で家庭でパパやママに反発してしまうこともあります。
家庭内での約束が守れない時の接し方は?
大人の場合は1日の流れを時間で把握できますが、子供の場合まだ時間で区切るのが難しいことが約束を守れない原因になっていることが考えられます。
食事の時には「7時までに食べ終わろうね」と声をかけて、遊ばずに食べられた時には「ご飯を遊ばずに食べられたから、食べ終わってからママと一緒に遊ぶ時間ができたね」などと約束を守えばメリットがあることを伝えてあげましょう。
また、片づけを嫌がる場合には「9時になったら寝る時間だから、あと15分したら片づけようね」と時間を予告してあげると子供も心の準備ができて時間には限りがあることを自覚できるようになっていきます。
「片づけなさい!」と言うよりも「ママはこれを片付けるから〇〇ちゃんはこれを片付けてね」などと一緒に協力するような言葉をかけるとスムーズに片づけ始めるきっかけになることも。
親としては家庭内のルールを守ってくれた方が嬉しいのはもちろんですが、守れなくてもすぐに叱ったりピリピリした雰囲気を作らないように子供にとって心安らぐ落ち着ける場所であることも理解してあげましょう。
お友達と何度も喧嘩をしてしまう時
お友達と何度も喧嘩をしてしまう原因は?
お友達との喧嘩については、どのように叱ればいいのか子供に対する注意が難しいと感じているパパやママが多いようです。
例えば相手に一方的に手を出してしまった場合であれば、お友達に嫌な思い、痛い思いをさせたことについてしっかり注意して謝ることの大切さを教える必要があります。
しかし、喧嘩は意見と意見のぶつかり合いであることも多く、まだ感情のコントロールが難しい子供にとって何度も同じ喧嘩を繰り返すのはよくあることです。
原因がどちらにもある場合も多く、解決策が簡単ではない喧嘩についての注意の仕方、接し方については悩んでいるパパやママの多いのではないでしょうか。
お友達との喧嘩については原因は様々で複雑な分、安易に叱ってしまうと子供を傷つけることになりかねませんので、丁寧に接する必要があります。
お友達と何度も喧嘩してしまう時の接し方
相手に手を出してしまったり言い争いが激しくなり傷つけるような言葉を言ってしまうほどの大きな喧嘩でなければ親は子供同士の意見のぶつかり合いを見守ることも大切です。
最初はできなくても何度も意見をぶつけ合って喧嘩を繰り返すうちに、自分たちで解決できるようになります。
手を出したり、きついことを言って相手を傷つけてしまった時には大人が「いけないこと」だと教えてあげましょう。
なぜいけないことなのか子供が理解できるように理由を話して、納得させたうえで相手に謝るように伝えることが大切です。
なぜ自分が悪かったのかを理解できていないのに謝らせてしまうと、また同じことを繰り返してしまう原因となります。
また、家に帰ってから子供の話をしっかり聞いて「相手を傷つけたことはいけないけど、〇〇ちゃんの気持ちもママは分かったよ」と共感してあげましょう。
自分のことを分かってくれていると思えば、子供の心も落ち着いてお友達との接し方も変わってくるのではないでしょうか。
感情的に叱ってしまいそうな時の対処法は?
正しい叱り方、伝え方とは?
例えば、自分に余裕がある時には子供が飲み物をこぼしても「大丈夫だよ」と優しく声をかけてあげられるのに、忙しくてバタバタしている時には「時間のない時に何でこぼすの!!」と自分の都合で叱ってしまうという経験はありませんか?
パパやママも人間なので、疲れていたり時間が無くて急いでいる時には子供をきつく叱ってしまうこともありますよね。
しかし、子供にとっては同じことをしているのに叱られる時もあれば叱られない時もあると、結局なぜ叱られているのか分からなくなってしまいます。
分かっていてもつい感情的になってしまい上手な叱り方ができない、正しく叱る自信がないというパパやママにおすすめの伝え方、接し方を紹介します。
注意する時には理由もしっかり伝える
例えば人の多い所で走り出してしまたら「危ないからやめなさい!」と叱っていませんか?
子供にとっては「危ないから」という理由だけでは伝わりません。
人にぶつかったら相手もケガをするかもしれないこと、お年寄りや小さな子供にぶつかると大きなケガにつながる可能性があることなど詳しい理由も伝えるようにしましょう。
また、一方的に叱るのではなく「危ないことをするとどうなると思う?」などと質問して子供に答えを考えさせてあげるのも効果的です。
一方的に理由を伝えるだけでなく、一緒に考えることでしっかり覚えておく事ができるというメリットもあります。
子供を否定・比較しない
「何度言ってもできないね」「〇〇ちゃんは毎日やっているよ」など子供を否定したり比較するような言葉は、子供が自信を無くしてしまう原因になります。
つい兄弟で比べてしまうこともあるかもしれませんが、人と比べられると子供はやる気を失ってしまいます。
子供自身を否定するような言葉は避けて、子供の行動について叱るように意識しましょう。
「今日は何で出来なかったのかな?」と一緒にできなかった原因を考えて「明日はこうしてみよう」などといろいろな方法があることを伝えて自信を持たせてあげるといいですね。
また、褒める時にも「他の子はできないのにできてすごいね」などと他人と比較して褒めるのはおすすめできません。
「得意なこと、苦手なことは人それぞれ」という考え方で子供のペースを理解してあげましょう。
きつく怒ってしまいそうな時は一度黙る
感情的になってしまいそうな時には、すぐに言葉を発さずに一旦感情を飲み込んで黙ってみましょう。
口を開けば子供を傷つけてしまうかもしれないと思う時には、一度黙ってみると気持ちが落ち着くことも。
きつく叱られると子供にとっては叱られている内容よりも「怖い」という感情が勝ってしまいますが、パパやママが黙った姿を見ると「悪いことをした」と自覚する子供も多いようです。
毎回感情的に子供を叱った後、冷静になった時に後悔してしまうという時には、一度深呼吸して叱るのを待つ習慣を身に付けると親も子もストレスが軽減するのではないでしょうか。
注意は短くが基本
子供に対して注意したいことは1分もあれば伝えられます。あれもこれもと長いお説教になってしまうと子供は何で叱られているのかが分からなくなり親が本当に伝えたいことが伝わっていないということになりかねません。
ついでに過去のことまで持ち出してまとめて叱ることも無いように気をつけましょう。
また、叱った時の雰囲気を引きずるのも禁物です。
すぐに気持ちを切り替えるのは難しいかもしれませんが、子供は親に叱られた後も親の表情や感情をよく見ています。
叱った後のピリピリした空気が続いていては、子供にとって叱られている時間が続いているのと同じです。
叱ったり注意した後は気持ちよく気分を切り替えましょう!
先に子供の意見を聞く
一方的に叱ってばかりいると、子供は委縮してしまい自分の意見を言えないようになってしまいます。
例えばお片付けをしない時にも、片づけられなかった子供なりの理由があるかもしれません。
「言い訳しないで」「約束は約束だよ」などと言って、強制的に行動させないように気をつけましょう。
叱る時にも子供の意見は必ず聞くことが重要です。
親が叱る意味を伝える
親が子供に叱ったり注意する根本的な理由は「子供のため」というのが基本ですよね。
毎日同じことで叱ってばかりでは、子供のために叱っているということが伝わりにくくなっていきます。
大好きだから、大切だから叱っているんだということをたまには言葉にして伝えるようにしましょう。
子供と接する時には心を込めて
感情的に間違った叱り方をしていると子供には叱られている原因が分かりづらく、自分が嫌われているから叱られると感じてしまうこともあります。
そうならないためにも上手な接し方を心がけて、きつく叱るよりも心を込めて子供のために伝えるという気持ちを意識しましょう!
子供が何度も同じことを言っても聞いてくれないと不安にもなりますが、ガミガミと言うよりも子供が理解できるタイミングを待ってあげることも大切です。
上手くいかないと辛くなる時もあるかもしれませんが、パパやママの気持はきっと伝わっていますよ!