
赤ちゃんがおっぱいを飲まない!授乳拒否の原因とその対処法6つ
普段と同じように赤ちゃんにおっぱいをあげようとしたら、大泣きしたりおっぱいを嫌がるような素振りを見せられたことはありませんか?
実は、小さな赤ちゃんがおっぱいをいきなり拒否するようになるのは、珍しいことではないんです。
今回は、赤ちゃんの授乳拒否の原因や対処法についてご紹介します。
ある日突然始まる授乳拒否
『前まではおっぱいから問題なく母乳を飲んでくれていたのに、なぜかいきなり赤ちゃんがおっぱいを飲まなくなった!』と悩むお母さんは多いものです。
赤ちゃんがおっぱいを嫌がってしまうことを授乳拒否と呼びますが、まだ小さな赤ちゃんの栄養源はミルクや母乳のみ。
授乳拒否されてしまうと、赤ちゃんの栄養状態が気になってしまいますよね。
また、おっぱいを飲ませようとして赤ちゃんにそっぽを向かれてしまったり、大泣きされてしまったりすると、お母さんは少なからずショックを受けてしまうものです。
親子の大切なスキンシップの時間である授乳を嫌がられてしまうと、赤ちゃんにスキンシップを拒否されたような気持ちになって悩んでしまいますよね。
そんな困った授乳拒否は、いつ頃に、どのような原因で起こるのでしょうか。
授乳拒否はどのくらいの月齢の赤ちゃんに起きやすい?
赤ちゃんに授乳拒否が起こりやすいのは、新生児〜4ヶ月頃だと言われています。
新生児〜4ヶ月頃の月齢の赤ちゃんは、まだ首もすわっていなかったり、とてもデリケートな状態です。
デリケートな低月齢の赤ちゃんは、大人なら気にもとめないような些細な変化を敏感に感じ取っています。
そしてその些細な変化が、授乳拒否に繋がってしまうことがあるのです。
赤ちゃんが授乳拒否する原因とは
赤ちゃんが授乳拒否になってしまう主な原因は5つあります。その原因にはどのようなものがあるのか、順番にみていきましょう。
①乳頭混乱を起こしている
赤ちゃんは、乳頭混乱を起こしてしまうと授乳拒否をしてしまいます。
授乳拒否の原因となることの多い『乳頭混乱』ですが、「乳頭混乱っていったい何?」と疑問に思うお母さんも多いことでしょう。
そんな方のために、まずは乳頭混乱とは何かを説明していきましょう。
乳頭混乱は、簡単に言うと、赤ちゃんがおっぱいと哺乳瓶の吸い口(乳首)に違いを感じて混乱してしまうことです。
乳頭混乱はニップルコンフュージョンとも呼ばれ、母乳とミルクの混合栄養で育っている場合など、おっぱいと哺乳瓶の両方から授乳を受けている赤ちゃんによく見られる現象です。
おっぱいからの授乳と哺乳瓶からの授乳を併用していると、赤ちゃんは授乳の際に、おっぱいと哺乳瓶の2種類の乳首から母乳やミルクを飲むことになります。
ここでポイントなのが、おっぱいは赤ちゃんが一生懸命に吸わないと母乳が出てこないのに対して、哺乳瓶は少ない力で簡単に飲むことができる構造になっているということです。
赤ちゃんからすると、おっぱいよりも哺乳瓶の乳首の方が楽にお腹がいっぱいになることができます。
そのため、頑張って吸わないと出てこないおっぱいを拒否するようになってしまうことがあるのです。
また、乳頭混乱は哺乳瓶を使用していなくても、おしゃぶりを使用している赤ちゃんならば起こり得る現象です。
おしゃぶりや哺乳瓶の乳首はそもそもおっぱいとは構造が異なり、吸い心地も吸い方も違うため、赤ちゃんが混乱しておっぱいからの授乳を拒否してしまう原因になるのです。
②母乳の味が変わった
赤ちゃんは、お母さんのおっぱいの味の変化でも授乳拒否してしまうことがあります。
母乳やミルクのみから栄養を摂っている赤ちゃんは、母乳の味の変化をとても敏感に感じ取っているのです。
母乳は、お母さんの血液から作られていて、お母さんが日々食べているものを反映して母乳の味も変わります。
油っこいものや甘いスイーツなどを食べすぎてしまっていたり、水分が不足していたりすると、ドロドロとした母乳になりやすくなってしまうんですよ。
母乳をドロドロにしてしまう食事は、赤ちゃんの授乳拒否の原因になるだけでなく、乳腺炎の原因になることもあります。
授乳拒否や乳腺炎を未然に防ぐためにも、お母さんの普段の食事には気を使うようにしましょう。
③おっぱいが吸いにくい
赤ちゃんは、おっぱいが吸いにくい場合にも授乳拒否をしてしまうことがあります。
おっぱいが吸いにくいと言うのはどのような状態かというと、お母さんのおっぱいが陥没乳首・扁平乳首である場合や、おっぱいがカチカチに張っていて赤ちゃんが吸い付きにくい場合です。
生まれたばかりの低月齢の赤ちゃんは、まだおっぱいを飲むのが上手ではありません。
ただでさえうまく飲めないのに、お母さんのおっぱいが陥没乳首や扁平乳首である場合、おっぱいを飲む難易度はさらに上がります。
その結果、赤ちゃん自信が「もうイヤだ!」と投げ出してしまって授乳拒否となってしまうのです。
また、お母さんのおっぱいがカチカチになるくらい張っているときも、赤ちゃんはおっぱいを吸いにくく感じています。
赤ちゃんは母乳を飲むとき、乳首だけでなく乳輪あたりまで深く咥えることで母乳をうまく吸うことができます。
しかし、お母さんのおっぱいがパンパンに張っている状態だと、赤ちゃんの小さな口では浅くしか咥えられず、哺乳力も落ちてしまうのです。
一生懸命飲んでいるのになかなか思うように飲めないもどかしさが、授乳拒否に繋がってしまうのでしょう。
④環境の変化を感じている
いつもと違う環境で授乳をしたときに赤ちゃんが授乳拒否をする場合は、赤ちゃんが環境の変化を感じて戸惑っているからかもしれません。
新生児〜4ヶ月頃の赤ちゃんは、周囲の環境の変化にとても敏感です。
普段よりも大勢人がいる場所で授乳をしたときや、引越しをして普段の環境がガラッと変わった場合には、授乳拒否をしてしまうことがあります。
中には、お母さんが使っている香水や柔軟剤・ボディーソープの香りが変わっただけも授乳拒否の原因になることもあるんですよ。
⑤赤ちゃんの体調が悪い
赤ちゃんは、体調が良くないときにも授乳拒否をすることがあります。
例えば、口の中に痛みや違和感を感じているときや、鼻がつまっているときなどです。
赤ちゃんがいきなり授乳拒否になってしまったときには、赤ちゃんの口の中に痛みの原因となるものはないかや、赤ちゃんの鼻がつまって呼吸しづらそうにしていないかをチェックしてみましょう。
また、赤ちゃんは歯が生え始めるタイミングで口の中に違和感を感じ、授乳拒否をしてしまうこともあるようです。
赤ちゃんの授乳拒否の原因は、口の中の痛みや鼻づまりだけでなく、体のほかの部分の不調によるものであることも。
便秘がちであるなど、赤ちゃんに普段と違う様子がみられた場合には、小児科を受診するようにすると安心です。
赤ちゃんに授乳拒否されるときの対処法6つ
それでは、赤ちゃんに授乳拒否されてしまったときにはどのような対処をすれば良いのでしょうか。
先ほどご紹介した授乳拒否の原因別に、対処法を6つご紹介します。
①哺乳瓶よりおっぱいから先に飲ませる
おっぱいと哺乳瓶の両方から飲んでいる赤ちゃんが乳頭混乱を起こして授乳拒否をするようになってしまったら、まずは哺乳瓶よりもおっぱいを先に飲ませるようにしてみてください。
赤ちゃんにとって飲みやすい哺乳瓶の乳首で先にあげてからおっぱいを吸わせていたのでは、哺乳瓶である程度の量を飲んで空腹を紛らわした赤ちゃんは、一生懸命吸わないと出てこないおっぱいを拒否するようになってしまいます。
逆に、哺乳瓶より先におっぱいを吸わせるようにすると、赤ちゃんもお腹がすいているので、一生懸命おっぱいを吸ってくれるかもしれません。
一度赤ちゃんが乳頭混乱を起こして授乳拒否になってしまうと、おっぱいを吸ってくれるようになるには根気が必要です。
どうしても母乳を赤ちゃんに飲んで欲しい!という方は、根気強く赤ちゃんに付き合ってあげてくださいね。
②哺乳瓶を変えてみる
おっぱいと哺乳瓶を併用して授乳している赤ちゃんが授乳拒否となった場合には、哺乳瓶の乳首を変えてみるのもおすすめです。
哺乳瓶の乳首の中には、赤ちゃんが乳頭混乱を起こしにくいように作られているものがあります。
少ない力で楽に飲める哺乳瓶乳首と、吸っても出づらいおっぱいの違いがなるべくなくなるような構造になっているのです。
そのような哺乳瓶乳首を選べば、哺乳瓶から飲んでもおっぱいから飲んでも吸いやすさにそこまで変わりはなく、おっぱいの吸いづらさから授乳拒否されてしまうことを防ぐ効果が期待できます。
③食生活を見直す
赤ちゃんに授乳拒否されてしまったのは、「もしかしたら母乳の味や質の変化が原因かもしれないな」と心当たりのある人は、普段の食生活を見直してみましょう。
産後ダイエットを意識するあまり、食事量を減らしていた人は、食事量を増やしましょう。
授乳中はお腹がすきやすいので、油っこいものや甘いスイーツについつい手が伸びてしまいがちですが、母乳のためには適量に控えておくことが大切です。
母乳を作り出すには水分がたくさん必要になります。お母さんは意識して水分を多く摂るようにしましょう。
また、母乳はお母さんの血液から作られているので、お母さんが貧血ではいい母乳が作られません。
しっかり鉄分を摂りながら、バランスのいい食事を心がけてみてくださいね。
④専門家に相談する
授乳拒否をされてしまったときには、専門家に相談してみるのもおすすめです。
お母さんのおっぱいが陥没乳首や扁平乳首の場合、乳首を専門家にみてもらって乳頭保護器についてアドバイスをもらえたり、おっぱいが張って赤ちゃんが飲みにくいときのマッサージ方法なども教えてもらえたりします。
母乳のための食事についても教えてもらえるでしょう。
産婦人科や母乳外来などに相談に行くと、適切なアドバイスがもらえるだけでなく、授乳拒否の悩みも聞いてもらえてスッキリするかもしれませんよ。
⑤授乳環境を見直す
授乳拒否される原因が授乳環境にある場合、授乳環境を見直すだけで授乳拒否が解消されることがあります。
騒がしい場所や人の多いところで授乳しようとすると授乳拒否されてしまう場合には、なるべく静かで赤ちゃんの落ち着ける授乳環境を作ってあげるようにしましょう。
音が気になって授乳に集中できない場合には、授乳するときにはテレビを消すなど工夫しましょう。
お母さんの匂いが変わったことで授乳拒否になってしまったときには、元の香りに戻してあげるといいですよ。
授乳はお母さんと赤ちゃんの貴重なスキンシップの時間です。
なるべく赤ちゃんがリラックスして過ごせるように、最大限配慮してあげましょう。
⑥赤ちゃんの体調に気を配る
授乳拒否をする赤ちゃんの様子には、しっかりと気を配るようにしてください。
赤ちゃんがおっぱいをあげようとしたとき以外もずっと機嫌が悪く、グズグズしているようなら、赤ちゃんの体調が悪いのかもしれません。
普段はよくおっぱいを飲む赤ちゃんがいきなり授乳拒否になってしまったときには、便秘や下痢になっていないか・口の中に異常はないか・鼻づまりなはいか・耳をしきりに触ったりしていないか・熱はないかなどを確認するようにしましょう。
赤ちゃんの症状を観察して、必要ならば迷わず小児科や耳鼻科などを受診するようにしてくださいね。
赤ちゃんとママの過ごしやすさを優先しよう
いかがでしたか?今回は、新生児〜4ヶ月頃の小さな赤ちゃんによく起こる授乳拒否についてご紹介しました。
デリケートな赤ちゃんが授乳拒否になってしまう原因はたくさんあります。
言葉を話せない赤ちゃんの様子だけで授乳拒否の原因を推測したりするのは簡単ではありませんが、今回ご紹介した対処法を試して試行錯誤しながら、根気強く付き合ってあげてくださいね。
授乳拒否は、飲んで欲しいお母さんと嫌がる赤ちゃんの両方のストレスとなってしまうことも多いです。
お母さんにとっても赤ちゃんにとってもなるべくストレスにならないように、「おっぱいを飲ませなくては!」と思いつめるのではなく、「お母さんと赤ちゃんが笑顔で過ごせることが何より大切」と考えるようにしましょう。
お母さんが授乳拒否によって悩んでしまい、そのストレスで母乳が出なくなってしまったのでは元も子もありません。
ときにはミルクという選択もしながら、上手に授乳拒否を乗り越えていけるといいですね。