食事の大切さ・楽しさを考える【食育】についてもっと知ろう!

最近よく聞く【食育】、一体どういうもので何をしたらいいのだろう、と疑問に思っていませんか?
今回はそんな食育について基本的な内容から、企業・自治体が行っている取り組みまで詳しくご紹介していきます!
食育をとおして食事や食生活について見直して、健康で明るい毎日を目指してみませんか?

食育って?基本的な内容をおさらい!

「食をとおして人として生きる力を育む」という試み

食事は、私たちが毎日必要とするものであり、一生関わりを持つ大切なものですね。
食育とは、毎日の食事や食生活を見直し、「食をとおして人として生きる力を育んでいこう」という試みのことです。
食べ方や栄養素という「食」についての知識を増やすだけでなく、バランスの良い「食」を選択する力を身につけ、健康的な食生活を目指します。
毎日口にする「食べ物」が私たちの体をつくり、成長を助け、病気に対抗する力となってくれます。
つまり食事は私たちが生きていくための基本!
その基本的な「食事」という営みを見直して、生きる力を育んでいくのが、食育なのです!

「人と食卓を囲むことの大切さ」を再確認する

出典:Instagram
食事は、健康的な体を作るだけではなく、心や知能をも育ててくれます。
人と食卓を囲み、会話をしながら、美味しい食べ物を一緒に楽しむ。そんな風に食事は、人と人を繋げ、心を育んでくれる場でもあります。
それだけでなく、家族で囲む食卓から私たちは食事のマナーや受け継がれてきた伝統や文化をも学んできました。
しかし、近年では食事や生活、家族のあり方の多様化により、そういった大切なコミュニケーションの場としての「食事」が失われつつあります。
食育には、この人と食卓を囲むという「共食」の大切さを再確認するという狙いもあるのです。
健康的な食生活だけでなく、誰かと一緒に楽しく食事をするという共食の重要性を学ぶことも、食育の1つの目的です!

「食べ物への感謝の気持ち」を見直す

食育には、生きる力を育むことや人と食事を摂ることの大切さを知ること以外に、「食べ物への感謝の気持ち」を見直すというもう1つの大切な目的があります。
この半世紀ほどで、科学技術の進歩により「食」というものが大きく変化してきました。
コンビニやスーパーなどの総菜、インスタントや冷凍食品。このように調理加工され「完成した食事」が、手軽に手に入るようになりました。
そして発達する便利さや豊かさとは反対に、「食べ物がどこから来たのか、どのように作られたのか」ということが見えづらくなりました。
命の大切さや、料理を作ってくれる人、材料となる食材を作ってくれる人、それを届けてくれる人など、たくさんの犠牲や人の手に支えられてご飯が食べられているという事実を忘れがちになってしまいました。
食育では、食事が食卓に並ぶまでの過程を改めて見つめなおすことで、食事となる命や食事を支える人たちへの感謝の気持ちを育む取り組みも行われています。

どうして食育が必要なの?食事の危機!

深刻化する「こ食」の危険性

みなさんは「こ食」という言葉を聞いたことがありますか?
こ食にはいくつか種類あり、現代の家庭の食卓が抱える問題点をわかりやすく表したものです。
〈家庭の食卓が抱える問題:6つの「こ食」〉
「孤食」・・・一人だけで食事をとること。
「個食」・・・家族で同じものを食べず、それぞれが自分の好きな物だけを食べること。
「固食」・・・自分の好きな固定した料理だけを食べること。
「小食」・・・ダイエットなどで食べる量を減らしたり、いつも食欲がなく少量しか食べないこと。
「粉食」・・・お米ではなく、パンやパスタなど粉を使った主食ばかりを食べること。
「濃食」・・・加工食品など、味付けが濃い食べ物ばかりを食べること。
みなさんにも思い当たる「こ食」があるのではないでしょうか?これらの「こ食」は続けていくと、体や心に大きな悪影響を与えてしまいます。
孤食をしていると、コミュニケーション能力やマナーを身に付けることが難しくなっていきます。
また、個食や固食は栄養が偏るばかりか協調性が薄くワガママな性格の原因になることも。
小食は発育に支障をきたし、無気力を起こすなど精神への影響もあり、粉食や濃食は肥満や他の生活習慣病を引き起こしてしまいます。
このように、私たちは家庭での食卓のあり方の変化から、食生活にたくさんの問題を抱えています。
そのため、食育をとおして「共食」の大切さや食生活について改めて見直す必要があるのです!

豊かさゆえに起こる「食品ロス」という問題

いま食育が重要視されている理由には、私たちの体や心に及ぼす影響だけでなく、社会全体の問題も含まれています!
日本社会が抱える問題の1つに、「食品ロス」というものがあります。
「食品ロス」とは、売り切れや賞味期限切れの食品、食べ残しなど、本来は食べられるはずの食料が捨てられてしまうこと。
飢餓や栄養不足で苦しんでいる国がある一方で、日本は食べ物が当たり前にあるという豊かさゆえに、多くの食料が捨てられてしまっています。
このように、薄れてしまった食べられることへの感謝や食べ物を大切にする気持ちを思い出すために、食育の必要性が大きく求められているのです。

どんなことをしたらいいの?身近な食育にチャレンジしてみよう!

朝ごはんを食べよう!

まずチャレンジしてほしいおすすめの食育が、朝食をしっかり食べることです!
1日3回食べる食事の中でもの中でも朝ごはんは、とても大切。朝ごはんを食べることで、その日一日を元気に過ごすことができます。
朝食は一日のエネルギーの源になってくれるだけでなく、眠っていた体を活性化させ、活動の準備をしてくれます。
また朝ごはんをしっかり食べればお昼や夜にまとめて食べることが減り、1回の食事量のバランスが整い、肥満や生活習慣病の予防にもつながります!

出典:Instagram
でも忙しい毎日の中で朝食を作るのも食べるのもなかなか大変ですよね。
そんな人におすすめなのが、食育アドバイザーやインストラクターが考案している時短朝ごはんメニューです。
農林水産省のこちらのサイト「めざましあさごはん」には、食育にぴったりな朝ごはんレシピがずらり!
使う食材や調理時間ごとにレシピを探すことができるので、毎日の献立てに悩むママの救世主になってくれます。
また朝ごはんメニューを探すのにおすすめなのが、インスタグラムです!
食育アドバイザーやインストラクターのインスタグラムでは、美味しそうな朝ごはんがたくさん紹介されています。
ワンプレートご飯など、見た目だけでなく栄養バランスや時短のコツも紹介されているので、楽しく食育をすることができますよ!
<おすすめインスタハッシュタグ>
#朝ごはん
#朝美人アドバイザー
#ワンプレート朝ごはん

栄養バランスを見直してみよう!

身近にできる食育の2つ目が、日々の食事の栄養バランスを見直すこと。
バランスよく栄養を摂ることは、とても大切です。でも、実践するのはなかなか難しいですよね。
まずは「主食」「主菜」「副菜」を意識して、3つをバランスよく摂るようにしてみましょう!

・主食・・・白米や麺類など。エネルギーの元となる炭水化物。
・主菜・・・魚、肉、卵、大豆など。タンパク質や脂質を多く含むもの。
・副菜・・・野菜、根菜類、海藻など。さまざまなビタミン、鉄、カルシウム、食物繊維などを多く含むもの。

3食すべて主食・主菜・副菜をバランスよく食べるのが難しい時は、1食だけで考えず、1日全体でバランスを取るようにしてみましょう!
例えば朝食にパンしか食べれなかった時はお昼にサラダを多めに取ったり、夕食に焼き肉などお肉をたくさん食べた時には、翌日の朝と昼は主食・副菜を多めに取ったり。
栄養バランスというと難しく聞こえてしまいますが、食事を作る時や選ぶ時に、その日食べた物・食べる予定の物を思い浮かべてバランスを取ることから始めてみましょう!

みんなでおいしく食べる「共食」をしよう!

身近にできる食育の3つ目は、人と一緒に食事をする「共食」を心掛けることです。
ご紹介した「こ食」の中でも一番危険だとされているのが、「孤食」です。
なぜ孤食が危険なのかといえば、孤食をすることによって他の「こ食」が引き起こされる原因になることが多いからです。
一人だけで食事を取ると、自分の好きなメニューに偏りやすくなったり、栄養バランスを考えることを怠ってしまったり。
また一人なのにたくさんのメニューを作るのが大変・あっても食べきれないと、インスタント食品ばかりになったり、小食につながったりと多くの問題を引き起こしてしまいます。
ライフスタイルや家族の生活リズムの多様化で人と一緒に食事をするのは大変かもしれませんが、「共食」をするのは体にも心にもとても大切なことです。
まずは週に1回、誰かと話しながら「美味しい!」を共有する共食を始めてみましょう!

食育の輪を広げよう!①自治体・地域の取り組み

子ども食堂を活用しよう!

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「仕事で子どもと一緒にご飯を食べれない」、「忙しくてご飯が作れず、買ったお弁当で済ましてしまう」。
さまざまなライフスタイルがある今、忙しくて子どもと一緒にご飯を食べるのが難しいというママも多いのではないでしょうか。
そんな人にぜひ利用してほしいのが、「子ども食堂」。
最近よく聞く子ども食堂ですが、子ども食堂も食育の1つ、「子どもに温かいご飯と団らんを」という共食を提供する場として始まりました。
子ども食堂は全国に広がっており、たくさんの地域で運営されています。
「子供に孤食をさせてしまっている」と悩んでいる人は、一度地域の子ども食堂を探してみましょう!
子ども食堂ネットワークなど、ネットでも近くの子ども食堂を簡単に探すことができます。
食育とは毎日の食事のこと、忙しいママがすべてをこなすことは難しくもあります。そんな時は一人で抱え込まず、負担を減らせる方法・場所を探してみましょう!

食育月間・食育の日を活用しよう!

出典:Instagram
「食育月間」「食育の日」があるのをご存知ですか?
毎年6月は「食育月間」、毎月19日は「食育の日」と定められ、地域ごとに食育を推進するあらゆる企画が立てられています!
食育についてのフォーラムはもちろん、料理家やシェフを招いてのトークショーや食育にぴったりの料理の試食会など、たくさんの催しが開かれています。
また地域によっては、「野菜を多く食べよう!」という試みから食育の日は、野菜が安くなるなどお得な企画も開催されています!
食育月間・食育の日に行われている企画は地域ごとに異なるので、お住いの地域の自治体をチェックしてみましょう!

食育の輪を広げよう!②企業の取り組み

工場見学をしてみよう!
出典:グリコ わくわくファクトリー グリコピア イースト
いま食育の一環として企業が盛んに取り組んでいるのが、工場見学です!
食育の目的の1つである「食べ物への感謝の気持ちを見直す」ためには、実際に食べ物や食料がどんな風に作られるのか、実際に体験してみるのが一番大切です。
学校規模で行われる工場見学だけでなく、あらゆる企業がもっと「食べ物がどこから来るのか」について知ってもらおうと、家族でも参加できる工場見学を行っています!
子どもはもちろん、大人も楽しめる見学ツアーはたくさん!食育について「学ぶ」よりも、「触れて楽しむ」ことがメインである工場見学は、お子さんの食育にとってもおすすめです。

<家族で楽しめる工場見学>
明治:工場見学に行こう!・・・全国各地の施設でチョコレートやヨーグルトなどの乳製品の製造工程の見学・体験。
キューピー:マヨテラス・・・マヨネーズにまつわる歴史や作り方の工夫を学びながら体験できる見学施設。
キッコーマン:ものしりしょうゆ館・・・醤油ができるまでの工程を楽しく学べる工場見学施設。
グリコ:グリコピア・・・パピコやポッキーなどお馴染みのお菓子の製造工場を見学・手作り体験ができる体験スポット。

食育は明日の笑顔を、元気をつくる!


出典:Instagram
たくさん聞くようになった食育、「なんだか難しそう」と堅苦しく感じてしまっていませんか?
食育とは、食をとおして人として生きる力を身に付けること。
食事は、毎日必要となるもので、一生付き合っていくもの。
大切だからこそ難しいことも含まれていますが、食育は明日のあなたや家族の笑顔につながっていきます。
まずは誰かと一緒に楽しく美味しい食事をすることから始めてみましょう!
今日笑顔で食べたご飯が、明日のあなたの笑顔と元気をつくってくれます!

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