「甘酸っぱい恋愛映画は観飽きた」そんな女性に贈る大人の恋愛映画5作品

「ほんの少し前までは、ラブコメディーも、ハッピー要素満点のラブストーリーも大好きだった。それなのに今は、そういった恋愛映画になんだかハマりきれない自分がいる。それどころかヒロインに共感することすら難しい。」

なぜでしょう。

それはあなたが手にとる恋愛映画に「障害のある恋模様」が描かれている作品がないからではないでしょうか?

「年の差」「配偶者の有無」「白か黒かつけれぬ関係性」「失恋の痛手」など、年齢を重ねれば重ねるほど障害が伴う恋愛とお近づきになる機会が増えますね。
そういった複雑な恋愛事情を抱える大人の女性の皆さまがお探しの映画、ご用意いたしました。

これからご紹介させていただく5作品は、上記で掲げた恋するがゆえに抱える障害を乗り越えようともがく女性がヒロインの映画ばかり。
ちょっぴりビターでほろ苦く、憂いを帯びたラブストーリーは、大人の淑女たちだけが司れる世界観。

今回は、作品のあらすじに加え、筆者イチ押しの見どころも併せてご紹介させていただきます。

クローサー

”カラダを重ねるたび、唇が嘘を重ねる”

ハリウッドを代表するベテラン俳優のクアドラプル(四重奏)競演が叶った『クローサー』。
キャストは、ジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライヴ・オーウェンといったハリウッドを代表する顔ぶれです。
脇役なし、全員が主役級の4名が魅せる大人のラブストーリーは、世界中で大ヒットを記録した舞台劇の映画化となります。
2004年の公開から15年が経過しているというのに、全く色褪せることのない大人のラブストーリーです。

あらすじ

幸せだと鬱になれず そういう日々が彼らを憂鬱にする
出典:『クローサー』本編より

ダン(ジュード・ロウ)は、街で偶然出逢ったアリス(ナタリー・ポートマン)に一目で恋に落ちる。
それがきっかけで彼らはすぐさま同棲をはじめるが、ダンはフォトグラファーの人妻アンナ(ジュリア・ロバーツ)に心惹かれていく。
一方でアンナの夫ラリー(クライヴ・オーウェン)は、アリスに只ならぬ興味を抱いていく。
もつれあう愛の群像劇。そしてラストシーンで明かされる真実に誰もが息をのむ。
さて、あなたは誰に感情移入する?

見どころ

本作を鑑賞するにあたり、すこしだけ気に留めていただきたいもの。
それは「カラダを重ねるたび、唇が嘘を重ねる」という映画に付随するキャッチフレーズ。
一見、なんの謎にも満ちていないとてもシンプルなセンテンスに見えるのですが、実は…。
映画をすべて鑑賞し終えてから、もう一度このキャッチフレーズを思い起こしてみてください。
酸いも甘いも知った大人だけが解読できる「答え」がそこに待ち受けています。

静かなふたり

”沈黙は、愛。”

いつも手にとるアメリカ映画にちょっぴりマンネリを感じている淑女のみなさまには、2017年公開のフランス映画『静かなふたり』をリコメンド。
こちらは、年齢差のある男女が書物を通じて愛を確かめあうプラトニック・ラブストーリーです。
フランスで注目度No.1の監督、エリーズ・ジラールが描く神秘的で趣のある世界。
花の都パリの情緒あふれる景色や、ふたりが織りなす詩的な会話のやりとりにもご注目ください。

あらすじ

出典:Instagram

パリ5区、カルチェ・ラタン。
謎めいた古書店で、わたしは<彼>と出会った。
出典:映画「静かなふたり」オフィシャルサイト

パリに引っ越してきたばかりのマヴィ(ロリータ・シャマー)は、あるとき立ち寄った古書店で店主のジョルジュ(ジャン・ソレル)と出会いを果たす。
マヴィは従業員として、ジョルジュと共に古書店をきりもりしていく。
祖父と孫ほどの年齢差があるふたりは、やがてゆっくりと静かに心を通わせていくのだが、ジョルジュには謎に満ちた過去を抱えており……。

見どころ

出典:Instagram

マヴィとジョルジュの”静かなふたり”が織りなす会話のやりとりは、まるで小説を読んでいるかのように美しい響きを放ちます。
静寂のなかで交わされる会話や、ヒロインが胸のうちで呟く言葉の数々。
時にほろ苦く、時にロマンティックな言葉の連鎖は、本作を堪能する上で欠かせない重要なスパイスです。
鑑賞する際は、美しいパリ5区の情景に目を奪われすぎず、おしゃれな台詞の数々にも注視してみてくださいね。

マイ・ブルーベリー・ナイツ

”ニューヨークから5,603マイル、あなたのブルーベリー・パイが恋しい。”

『2046』や『ミッションインポッシブル2』を手掛けた監督、ウォン・カーウァイが描くラブストーリーは、女性を元気づけるエッセンスがたっぷりと配合されています。
失恋で傷を負ったひとりの女性が旅を通し、たくましく成長していくロードムービー仕立ての恋愛映画です。

ヒロインのエリザベスを演じるは、世界的に活躍するグラミー賞受賞歌手ノラ・ジョーンズ。
彼女に恋心を抱くカフェ店のオーナー役には、ピープル誌が選ぶ”最もセクシーな男性”に何度も選ばれているジュード・ロウが熱演します。

世界的シンガーであるノラ・ジョーンズが映画初出演にして初主演に抜擢された作品としても話題になりました。
ウォン・カーウァイらしい小粋でおしゃれな映像と女心を魅了する音楽、演出の数々。
是非ご堪能ください。

あらすじ

大切な人にどうやって別れを告げる?
出典:『マイ・ブルーベリー・ナイツ』本編より


失恋を機に、元恋人の家の向かいにあるカフェに出入りするようになったエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、オーナーのジェレミー(ジュード・ロウ)と徐々に親しくなっていく。
毎晩、ブルーベリーパイをつつきあいながら過ごすジェレミーとの時間に癒され、心の安定を取り戻していくエリザベス。
そんなある日、エリザベスは旅に出る決心をし、街からひっそりと姿を消してしまう。
エリザベスに淡い恋心を抱くジェレミーは彼女の行方を探しはじめるが…。

見どころ

本作を鑑賞する上での必須アイテム。それはポップコーンでもチュリトスでもなく、ひとかけらのブルーベリーパイ。
そこにはバニラアイスを必ず添えて。となりには、程良く酔えるお酒があれば最高。
この3つがあれば最高のブルーベリーナイツとなります。
もちろん女友だちや彼との映画鑑賞に選ぶのもいいですが、わたしはおひとりで鑑賞に浸ることをおすすめします。

なんといっても、自分で自分の傷を癒し、自分の足で立ちあがろうとするヒロインの姿は最大の見どころ。
邦画も洋画も、この手の作品は「失くした恋は新しい恋で癒せ」とばかりに恋愛での再起をヒロインに図らせたがりますが『マイブルーベリーナイツ』は違います。

決して焦ることなく、男性に頼ることもせず、自分の力で失恋から立ち直ろうと奮起するエリザベスの姿に清々しさを覚えることでしょう。

オータム・イン・ニューヨーク

”「恋をしたい。今すぐ」「なぜ?」”

出典:Instagram

親子ほど年の離れた恋愛関係を繊細に描く『オータム・イン・ニューヨーク』は、2000年に公開され大ヒットを記録しました。
ニューヨークの美しい情景が儚くもせつないラブストーリーです。

主演は『プリティ・ウーマン』のリチャード・ギアと『17歳のカルテ』のウィノナ・ライダー。
本気で人を愛したことのない中年のプレイボーイをギアが演じ、難病を患い余命を宣告されながらもひたむきに生きるヒロインをウィノナが熱演します。

あらすじ

「私はあなたに何を与えられた?」「僕をモテない男にした」
出典:『オータム・イン・ニューヨーク』本編より

色づく木々の葉が切なくも美しい秋のセントラル・パークが舞台のラブストーリーはちょっぴりほろ苦い。

恋人と別れたばかりのウィル(リチャード・ギア)は、ひとりボートに乗る儚げな美女シャーロット(ウィノナ・ライダー)に目を奪われる。
経済的にも裕福で、女性に苦労などしたことのないウィルは真剣な恋とは無縁の人生を送り、日々かりそめの恋愛ばかりを繰り返してきた。

後日、彼の店でシャーロットと再会を果たしたウィルは運命の恋を確信し彼女に近づく。
やがて二人は恋に落ちるが、遊びのつもりだったウィルは、シャーロットが余命いくばくもない命と聞かされ動揺する。
そして、彼女に対し本気になりつつある自分に戸惑いを隠せないのだったが…。

見どころ

どのシーンを切り取っても絵になるニューヨークの街並みを背景に描かれる恋物語。
ふたりの恋模様に花を添えるニューヨークの情景は注視すべき見どころのひとつです。

今も昔も”憧れの街”として世界中から称賛されるニューヨーク。
秋こそニューヨークのベストな観光シーズンだと豪語する旅行者が後を絶ちません。
『オータム・イン・ニューヨーク』では、そんな秋のニューヨークを思う存分に五感で堪能できる映画となっています。
木々の葉のグラデーションがとても美しいセントラルパークはもちろんのこと、道を歩いているだけでも絵になる情景ばかりがおさめられていますよ。

是非、ニューヨークの秋景を堪能しながら大人のラブストーリーをご堪能ください。

エレジー

”からだから、こころから、あなたを消せない。もう一度愛したい”

セックスから関係をスタートさせた一組の男女が、真の愛に目覚めるまでをしっとりと描いた『エレジー』。
現代アメリカ文学の巨匠、フィリップ・ロスの短編小説『ダイング・アニマル』が初めて映像化された作品となります。

身勝手極まりなき大学教授役には、『砂と霧の家』のベン・キングズレーを迎え、そんな彼が心惹かれる美しいヒロインをペネロペ・クルスが演じます。
脇を固めるキャストも豪華。
デイヴィッドの良き理解者にはデニス・ホッパーを迎え、デイヴィッドと20年余りベッドを共にする関係の元教え子には、妖艶なパトリシア・クラークソンが演じます。

監督は、『死ぬまでにしたい10のこと』で知られるイザベル・コイシュ。
繊細なタッチで描かれた、ほろ苦くも艶っぽい大人の恋模様を堪能ください。

あらすじ

「時間はある?」「いつだって」
出典:『エレジー』本編より

大学教授のデヴィッド(ベン・キングズレー)は、教え子のコンスエラ(ペネロペ・クルス)と一夜を共にする。
彼は30歳も年の離れた若く美しい女性との情事に有頂天になり、親友ジョージ(デニス・ホッパー)にも彼女のことを打ち明ける。
やがて二人はお互いをかけがえのない存在だと認識するようになるが、デヴィッドの態度は煮え切らず……。

見どころ

言葉と言葉のあいだに横切る絶妙の間合いに気まずさを抱かせないのは、カメラワークや照明、音楽といった映像に寄り添うパーツが絶妙な匙加減で演出されているからなのでしょう。

『エレジー』は、個人的に何度も回数を重ね鑑賞したくなる。そんな恋愛映画です。
観る度、本作に浸るポイントがくるくると変わる不思議をみなさんにも体感していただきたい。

筆者の場合、初見はペネロペ・クルスに魅せられ、二度目はデイヴィッドに苛々を募らせ、三度目はデイヴィッドの息子に同情をして、四度目はついにデイヴィッドを不憫に思いました。
そして五度目は、選ばれた若い娘ではなく、選ばれなかった婦人に感情移入するようになりました。

おもわず自分の恋愛経験、人生経験と照らし合わせて鑑賞していたりなんかして。
ラブコメディーやハッピー要素100のラブストーリーにマンネリを感じている大人女子必見の映画です。

ストーリーに愉しませてもらう時期は終わったあなたに贈る大人の映画

「甘酸っぱい恋愛映画は観飽きた」そんな女性に贈る大人の恋愛映画をご紹介させていただきました。

冒頭で触れたように、「年齢差」や「配偶者の有無」「失恋で被った傷」といった多種多様な障害・トラウマと向き合うヒロインの恋情が描かれている作品を5つセレクトさせていただきましたが、あなたの気になる作品はありましたか?

今回ご紹介させていただいた5つの作品に共通するもの。
実は他にもあるんです。

それは、映画ってストーリー(内容)だけがすべてではないと認識させる点にあります。

たとえば、情景。
たとえば、音楽。
たとえば、ダイアローグ(台詞)。

それらは、物語を彩り支えるエッセンスに過ぎませんが、注視してみると思いがけなく心を掻き立てられるもの。
この5作品は、情景・音楽・ダイアローグすべてにロマンがあり、且つドラマティックで女心を揺さぶる大人の恋愛映画です。

春。季節とは裏腹に、なんとなく恋がうまくいっていないというあなたにも、許されぬ恋に身も心も翻弄されている状況のあなたの心に寄り添ってくれる映画作品がここにあります。

どうかお気に入りの作品が見つかりますように。

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