
健康とアンチエイジングの基本!【抗酸化力】を高める生活
健康とアンチエイジングの基本中の基本、抗酸化力。
私たちの体の中では活性酸素が絶えず生まれているため、
その対策は生きている限り必ず必要なのです。
今回ご紹介するポイントを押さえて、抗酸化力の高い生活を送りませんか?
私たちの体は酸素で生かされ、酸素で錆びる
まず活性酸素とは?
美容や健康の記事などでよく目にする『活性酸素』という言葉。活性酸素はシミやシワなど肌の老化や、生活習慣病の原因になると言われ、基本的に悪者扱い。しかし、私たち人間は息をして空気から酸素を取り込み、血液で体の隅々まで酸素を届け、酵素を使って脂肪や糖分を燃やして生きるためのエネルギーを生み出しています。そして、取り込んだ酸素の約2%ほどは酸素が不安定な状態になり、それが活性酸素になると言われているのです。
生きている限り、活性酸素は必ず生み出されます。それでは活性酸素とは一体なんなのでしょうか?体内で、他のものを酸化する力(錆びさせる力)が非常に強くなった物質は何種類も発生し、それらも含めて全て活性酸素と呼ばれています。私たちの体では活性酸素の激しい性質を利用して、体内に入ってきた微生物や細菌を殺菌して感染症などを防ぎ、毒物を分解しています。このように、悪者にされがちな活性酸素ですが実は体を守る大切な働きもしているのです。
そして余った活性酸素は体内の抗酸化物質で無害にされ、体が酸化されることを防いでいます。このように、私たちの体には活性酸素を消す仕組みがもともと備わっていて、バランスをとっています。
体が”錆びる”とは?
ところが、年齢を重ねるに連れて、活性酸素を体内で消す力が弱まっていきます。喫煙や激しい運動、ストレスや長時間の日焼け、そして不適切な食事などで活性酸素はたくさん生まれてしまいます。そして私たちの体を作っている脂質やタンパク質などのさまざまな成分は、増えすぎた活性酸素によって酸化するのです。
参加されると正常な働きが失われ、さらに有害な物質に変わってしまうものもあります。その結果細胞が傷ついてしまい、全身に悪影響が出てしまうのです。活性酸素が老化を早め、動脈硬化や糖尿病、がんなどの生活習慣病や認知症などのさまざまな病気を誘発することが分かってきています。また、肌荒れやシミやシワが目立ちやすくなったり風邪をひきやすくなったり、疲れが取れないのも体が錆びているサインです。
活性酸素を増やさないためには生活を改め、増えてしまう活性酸素を消すために食べ物から抗酸化物質を補うことが大切です。
体が錆びるのを防ぐ抗酸化物質
活性酸素によって体が錆びるのを防ぐことを『抗酸化』と言います。抗酸化物質とは、活性酸素による酸化攻撃を引き受けてくれる物質のことです。私たちの体が活性酸素で酸化される前に酸化され、活性酸素を消してくれる働きをしてくれます。その抗酸化物質にはさまざまな種類がありますが、大きく分けると水に溶ける水溶性のものと、油に溶ける油脂性のものがあります。それぞれ働く場所が異なるため、両方が必要になります。さらに抗酸化物質により働く得意分野が異なります。
難しく聞こえてしまうかもしれませんが、要はいろいろな食べ物からいろいろな抗酸化物質を摂取していきましょうという話なのです。一種類の抗酸化物質をたくさん摂っても良いという訳ではありません。
体を錆びさせる食べ物とは一体?
体の錆びを防ぐ食べ物がある一方で、体を錆びやすくさせてしまう食べ物も存在します。体を酸化させてしまう食べ物とは、質の悪い油、スナック菓子、甘すぎるもの、化学添加物を使った不自然なものなどが挙げられまず。また、良いものでも食べ過ぎると活性酸素がたくさん生まれてしまう可能性があるので注意が必要です。
抗酸化物質を含む食べ物
食べ物で体の錆びを防ぎ、健康と若さを保つポイントとは?
抗酸化物質を含む食品は植物性のものが中心です。野菜や海藻、果物、豆類、いも類、お茶やハーブにもファイトケミケルがたっぷりと含まれています。毎日の食事に積極的に、たっぷりと取り入れることが体を錆びさせないポイントです。
必須ビタミンその①!ビタミンE
強い抗酸化作用で老化を予防するために必要不可欠な栄養素、一つ目はまずビタミンEです。ビタミンEは若返りのビタミンとも呼ばれているんですよ。脂溶性のため、脂質からできている細胞膜を通り抜けて、中から細胞膜や内部の錆びを防いでくれる効果があります。ビタミンEは活性酸素を消して壊れますが、ビタミンCによって元に戻されるため、体内であまり減らないのもビタミンEの特徴です。ちなみに油で炒めるなどして摂取すると体の中に吸収されやすくなります。
<ビタミンEを多く含む食品>
。植物油(オリーブオイルなど)
。アーモンド
。枝豆
。モロヘイヤ
。西洋かぼちゃ
。ヘーゼルナッツ
必須ビタミンその②!ビタミンC
活性酸素を消す力が抜群に強いのがビタミンCです。抗酸化ビタミンの代表格とも言えるでしょう。水溶性なので細胞膜の外側で働き、細胞膜の錆びを外側から防いでくれる働きをしてくれます。しかし体内で長期間貯蔵ができず、一度に大量摂取しても尿と一緒に流れ出てしまいます。ですので小分けにして摂取する方が効率的と言えるでしょう。また、光や熱に弱く壊れやすいため、生で摂取できるよう調理に工夫することが必要です。ビタミンCについては後に詳しくご紹介します。
<ビタミンCを多く含む食品>
。レモン
。ブロッコリー
。ピーマン
。パプリカ
。キウイ
。イチゴ
ファイトケミカルによる健康効果にも注目して
植物がもつ化学成分
野菜や果物などの植物性食品には、ビタミンやミネラルといった栄養素や食物繊維のほか、有用な働きをもつファイトケミカルが含まれています。ファイトとは「闘う」ではなく、「植物」のことを意味します。ファイトケミカルは植物が持つ化学成分のこと。植物の色素や香り、辛味や苦味、アクなどから発見された、多種多様な成分です。これは植物が自分の身を守るために作り出したものなのです。栄養素とは違い、ファイトケミカルは摂らなくても欠乏症になることはありません。しかし強い抗酸化力を持つほか、免疫力のアップなどさまざまな効果が期待できるのです。
主なファイトケミカル一覧
<カロテノイド>
オレンジ色の色素で、水に溶けにくく脂質で溶けやすい脂溶性の成分です。一部は体内でビタミンAとしても働きます。
。カロテン→にんじん・ほうれん草などの緑黄色野菜
。カプサンチン→赤ピーマン・とうがらし
。リコピン→スイカ・トマト
。クリプトキサンチン→柑橘類・びわ・柿
。フコキサンチン→海藻類
。ルテイン→緑黄色野菜・とうもろこし
<イオウ化合物>
強い香りをもつ成分や辛味成分のこと。アブラナ科のキャベツ、ブロッコリー、大根など、ユリ科の玉ねぎ、にんにく、にらなどに多く含まれています。
。イソチオシアネート→キャベツ・ブロッコリー・大根
。硫化アリル→ねぎ類・にんにく
<ポリフェノール>
植物の葉や花、樹皮などに含まれる色素や苦味、辛味成分のことです。フラボノイド系・非フラボノイド系など多種多様でその種類は8千種類以上もあると言われています。水に溶けやすい性質です。
。アントシアニン→ぶどう・ブルーベリー
。イソフラボン→大豆・大豆製品
。カテキン→緑茶
。クルクミン→ウコン・カレー粉
。クロロゲン酸→コーヒー豆・さつまいも・ごぼう
。ケルセチン→玉ねぎ・柑橘類
。ジンゲロール→しょうが
。ショウガオール→しょうが
。タンニン→緑茶・コーヒー・しそ
。テアフラビン→紅茶・烏龍茶
。フェルラ酸→米ぬか・玄米
。ヘスペリジン→柑橘類
。ルチン→そば
またそのほかにも、植物性食品には抗酸化作用を持つ成分が多く含まれています。味噌や醤油の色はメイラード反応から生まれるメラノイジンで、色が濃いほど活性酸素を消してくれる抗酸化作用が強くなるんですよ。梅干しに豊富に含まれるクエン酸などの有機酸も抗酸化作用があり、ポリフェノールの梅リグナンも抗酸化物質です。
抗酸化力を高める生活
ビタミンCはしっかり摂りましょう
ビタミンCは、水で溶けやすい性質。余分に摂っても摂りすぎの心配はありません。新鮮な野菜や果物から毎日こまめにたっぷりと摂取するのが理想的です。時にはサプリメントに頼るのもひとつの手です。ただし基本は食べ物から。サプリメントだけに頼るのは避けましょうね。
βカロテンは油と一緒に摂取する
緑黄色野菜に豊富に含まれるβカロテンは、体内でビタミンAとしても働きますよ。しかし体内では生で吸収されにくいため、油と一緒に摂ることをオススメします。油と一緒に摂ると吸収量が格段にアップするんです。摂りすぎても体内に貯蔵されるか、排泄されますので心配はありません。
ビタミンEはビタミンCやビタミンAと一緒に摂りましょう
アーモンドなどのナッツ類に豊富に含まれるビタミンEは脂溶性ですので油と遺書に摂ると吸収率が良くなり、さらに同じ抗酸化ビタミンであるビタミンCやビタミンAと合わせて摂ることで抗酸化作用が一段と高まります。是非実践してみてください。
活性酸素を減らす生活スタイルを!
活性酸素を減らすには、食べ過ぎに注意するほか軽めの運動も大切です。軽めのウォーキングなどを日々心がけると良いでしょう。またタバコを控える、アルコールを摂りすぎないことも活性酸素を減らす効果は抜群です。そしてストレスを貯めない、紫外線を避けるなど、活性酸素が多く発生する生活習慣を改めていきましょうね。
ビタミンCの抗酸化作用に再着目!
活性酸素を素早く消して生活習慣病や老化を予防する
体内で活性酸素による酸化を引き受ける働きをしてくれるビタミンC。活性酸素がタンパク質や脂質、DNAを酸化させる前にビタミンC自体が酸化されて、活性酸素を消して体を守っているのです。この活性酸素を抑える抗酸化作用のおかげで、動脈硬化などの生活習慣病や脳卒中が予防されると考えられています。
逆にビタミンCが極端に不足してしまうと、老化によって白内障や難聴などの病気が起きるリスクが発生されるという研究報告もあるのです。言い換えればビタミンCは老化を抑えているとも言えますね。
また、ビタミンCは、体内でコラーゲンが作られる時に欠かせない栄養素です。コラーゲンは細胞と細胞同士をくっつけて、皮膚にハリや弾力をもたらしてくれます。さらに血管や骨などのさまざまな体内の組織を支えている重要なもの。私たちの体を作るタンパク質の30%がコラーゲンなのです。ほかにビタミンCは、鉄分の吸収を助けるなど、体内でさまざまな働きをしています。
びたみんCの本名はアスコルビン酸と言います。水に良く溶け、油にほとんど溶けない水溶性の物質です。人は体の中でビタミンCを作り出すことができないため、どうしても食べ物から摂取しないといけません。熱や光に弱いビタミンCを生でたくさん食べるのは大変です。加熱するなら油でささっと炒めるなどして短時間調理することをオススメします。また、水にすぐ溶けてしまうため、洗うのも短時間にして茹で汁も摂りましょう。
ただし例外として、ジャガイモやさつまいもに含まれるビタミンCは熱に強く、また蒸すとビタミンCが溶け出すことがありません。一度に食べられる量も比較的多いため、ジャガイモやさつまいもはビタミンCが多く摂取することができる食品といえます。効率よく調理を工夫してビタミンCを摂取し、錆びに負けない体づくりをしていきたいですね。
ビタミンC、理想の摂取量はどれくらい?
それではビタミンCはどれくらい摂ればいいのでしょうか。ビタミンCの体内への吸収量はおよそ400mgで飽和するとの意見もあり、たとえ1000mg摂ったとしても一定量以上は体内に取り込まれない上、取り込まれても腎臓の働きで尿に出されてしまいます。男女ともに15歳以上であれば、1日の摂取基準は100mgです。ある調査によると男女とも普段の食事で100mgは摂れているのだそう。「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、ビタミンCの必要量は男女ともに1日85mgですから、平均すれば不足はしていないようです。しかし、ビタミンCは何度もお伝えしたように体内に貯蔵することができません。新鮮な野菜や果物を取り入れたバランスの良い食事を心がけて、毎日しっかりビタミンCを摂って肌の酸化を防ぎ、ハリと弾力を保ちたいですね。老化を遅らせて生活習慣病の予防もできるビタミンCを毎日の生活で意識するようにしましょう。
錆びない体作り!
今回は抗酸化力を高める栄養や生活のポイントをご紹介しました。若さと美しさを内面から保ち、錆びない体づくりをしていきましょうね。