何歳から?どんな作品?子供を映画館デビューさせるときの注意点

映画館での映画鑑賞には、社会性が身につく、感性が養われる、集中力がつくなどのメリットがあります。
子どもがある程度の年齢になり、長い時間のお出かけにも慣れてきたら、映画館デビューを検討してみてはいかがでしょうか。

本記事では、映画館デビューの年齢や作品を選ぶポイントなど、子どもを初めて映画館に連れていく際に知っておきたいことをご紹介します。

子どもの映画館デビューは何歳ぐらい?

何歳になったら映画館デビューさせるべきという明確な基準はありませんが、一般的にはおよそ1歳から3歳までの間に映画館デビューさせることが多いようです。

もちろん早ければ早いほどよいというものではありません。十分な社会性と集中力がつく3歳以降まで待ち、満を持して映画館デビューさせるという考え方もあります。

次のようなことがクリアできていれば、そろそろ映画館デビューさせても問題ないと考えられます。

暗闇でも泣かない
子ども向けの作品の場合は上映中でも照明を少し明るめに設定している映画館もありますが、基本的には上映中の館内は暗闇になると考えておきましょう。
映画館の暗闇を怖がって泣いてしまう子は多く、映画館デビューの最初のハードルとなります。お部屋を暗くしても泣かないでいられるようになることがまずは第一歩です。

また、ふだんは暗闇を我慢できても、映画館という不慣れな場所で真っ暗な中に置かれると不安を感じる子もいます。「映画館は暗くなるけど、大丈夫かな?」とあらかじめ伝えておきましょう。
劇場に入ったら子どもの様子に注意し、落ち着かないようだったら言葉をかけたり好きなオモチャを見せたりなどして安心させてあげましょう。

大きな音がしても大丈夫
映画館は迫力ある音響が持ち味ですが、大きな音に慣れない子は大音量にびっくりして泣いてしまうことがあります。

まずはふだんの生活の中で、大きな音に対し子どもがどのように反応するか観察してください。過剰に反応することなくやり過ごせるようであれば映画館デビューも問題ないと言えます。

比較的長時間のお出かけができる
映画館へ行くまでの準備と道のり、鑑賞時間、家へ帰るまでの道のりにかかる時間を考えると、映画館デビューには少なくとも3時間程度の時間がかかることになります。

今まで短時間のお出かけしかしていなかった子をいきなり長時間のお出かけに連れ出し、映画館という初めての場所に置くのはおすすめできません。映画館デビューを決めたら少しずつ外出時間を増やし、3時間から4時間程度おうちから離れても大丈夫なようにお出かけに慣れさせておきましょう。

最低60分程度じっとしていられる
上映の途中で休憩時間が設けられている場合は、休憩中に気を紛らすことができます。ただ、子どもをターゲットとする映画でも途中休憩がない場合もあります。子ども向けの映画は上映時間が短く設定されていますが、それでも少なくとも60分程度はかかります。上映中もおとなしくしていられそうか、ふだんの様子をよく観察してくださいね。

映画館デビューに向けて準備しておくこと

子どもをいきなり映画館に連れて行っても映画館デビューはなかなかうまくいきません。映画館デビューを決めたら、次のような準備をしておくことをおすすめします。

まずおうちで映画を観てみる
一定の時間、おしゃべりしないで画面に集中することに慣れるよう、動画などを見せることから始めましょう。子どもの集中力がどれくらい続くか測る目安になります。

視聴時間を少しずつ長くしていき、一つの作品を通して見られるようになったら、映画館デビューさせても大丈夫なはずです。

子どもの気を紛らすグッズを持参する
おうちでは長い時間おとなしくしていられても、映画館という初めての場所では落ち着きをなくすことも十分考えられます。

子どもがぐずり始めたときにすぐなだめられるよう、お気に入りのオモチャなどを持参すると安心です。場合によっては授乳用のケープを持っていくのもよいでしょう。劇場によっては飲食物の持ち込みができない場合もあるので、あらかじめ確認しておいてください。

映画鑑賞の際の注意点

映画館デビューする際は、以下のような事柄に気をつけましょう。当日スムーズに動けるよう、何か気になることがあったらなるべく事前に調べておくことをおすすめします。

食事とトイレは事前に済ませる
子どもは不快を感じるとどうしてもぐずりやすくなります。子どもが快適な状態で映画鑑賞を楽しめるよう、事前に準備を整えておいてくださいね。
上映中に空腹にならないよう、上映開始前にミルクなどを与えておきましょう。オムツも上映開始前に替えておき、できればウンチも済ませておくと安心です。

鑑賞する作品や映画館を決める際は、上映時間が食事やトイレのタイミングと重ならないかあらかじめ調べておきましょう。暖房の効きすぎなどで館内が暑すぎるときも不快感が生じ、ぐずりやすくなります。温度調整できる服装で行くのがおすすめです。

平日の昼間がおすすめ
映画館によっては、上映作品の内容によって「3歳未満は入場不可」など年齢による入場制限を設けているところもあります。スムーズに鑑賞できるよう、年齢制限についてあらかじめ確認しておいたほうがよいでしょう。

一般の映画館で映画館デビューするなら、混雑が予想されるサービスデーや休日は避け、人の少ない平日の日中に行くのがおすすめです。途中で退場する際に他のお客様に迷惑とならないよう、なるべく出入り口に近い通路側の席を選んでくださいね。

子ども料金がかかるか確認しておく
3歳未満のうちはまだ体が小さく、親の膝に抱っこして作品を鑑賞できるため、多くの映画館では3歳未満の子どもは入場無料です。ただし、子どもを一人で座らせる場合には、基本的に3歳未満でも料金を払う必要があります。子どもを二人以上を連れて行く場合は、二人目から子ども料金が必要になるのが一般的です。

子ども料金は、2Dの場合は900円から1000円が一般的で、3Dの場合は1300円から1400円程度のところが多いようです。

また、子どもをターゲットとする作品などは、2歳から料金がかかることもあるので注意が必要です。鑑賞前に、料金はかかるのか、いくらかかるのかをあらかじめ確認しておきましょう。

子連れ鑑賞サービスのある映画館がおすすめ

子どもを映画館デビューさせる際には、(1)子ども向けの作品を選ぶ、または(2)子連れの保護者向けの上映サービスを利用する、の2つの選択肢があります。

(1)の場合は、周囲に一般客もいるため、迷惑がかからないようママ側に一定の配慮が求められます。

(2)は子どものためというより子育て中の保護者のためのサービスなので、一般向けの映画を観ることができるのがポイントです。

出産してから映画館にはご無沙汰というママも多いはず。子どもの映画館デビューは、ママが久しぶりに映画を楽しみ、リフレッシュできるチャンスでもあります。

しかし、子どもが途中で泣き出したりぐずったりして途中で席を立たざるを得ない状況になると、周囲の目も気になりますし、何よりママ自身がいたたまれない気持ちになってしまいます。気分転換どころか、よけいに疲れてしまうでしょう。

子連れ向けの上映会なら、子どもが上映途中にウロウロしたり、多少騒いだりしてもお互い様です。周囲に気兼ねしなくてよいだけでなく、ママ自身も映画鑑賞を楽しめるというメリットがあります。

以下に、子連れ向けの上映サービスを設けている映画館をご紹介します。

109シネマズ「ふれあいシネマ」
小さな子どもとその保護者専用の上映会です。シアター内に女性スタッフが常駐しているほか、照明や音響にも配慮されています。

MOVIX「ほっとママシネマ」
子育て中のママに映画を楽しんでもらうために開発された映画上映サービスです。ママ一人につき補助席一席がつき、スクリーン前には子どものためのプレイスポットが設置されています。シアター内にスタッフが常駐し、オムツ替えや授乳のためのスペースもあります。

TOHOシネマズ「ママズクラブシアター」
子連れのママのために各劇場で毎月1~2回、木曜日に実施されています。照明が明るめに設定されており、チャイルドシートも用意されています。

ユナイテッドシネマ「抱っこdeシネマ」
子連れのパパ・ママ向けの上映会です。照明や音量に配慮されており、上映中にベビーカーを預けられるサービスもあります。

映画館デビューにおすすめなのはどんな作品?

映画館での映画鑑賞には、
(1)おうちとは異なる環境で、
(2)たくさんの知らない人達と一緒に、
(3)長時間にわたって静かにじっとしていなければならない
というハードルがあります。

ハードルをクリアするには事前準備とともに作品選びも大切です。
教育的な作品や芸術的価値の高い作品など、親として子どもに見せたい作品もありますが、まずは子どもがストレスなく楽しめるものであることが重要です。

映画館デビューの作品を選ぶポイントを見ていきましょう。

子どもがふだんから好きなもの
子どもが日頃から親しんでいるキャラクターの作品は映画館デビューに最もおすすめです。アンパンマンやきかんしゃトーマス、しまじろうの映画やディズニーのアニメ、戦隊もの、変身ヒーローもので映画館デビューしたという子が多いようです。

好きなキャラクターの作品なら、時間が長くなる映画版でも脱落しないはず。映画館の大迫力の画面や音声にも怖気づくことなく、すんなり作品の世界に入っていけるでしょう。

上映時間が短めのもの
一般的に、人が集中できる時間は45分間と言われており、ドラマなども45分間を単位に作られています。子どもは大人にくらべ集中力が長く続かないので、2時間を超えるような通常の映画作品は途中で飽きてしまう可能性が大です。初めて映画館で映画を鑑賞する際は、少し短めの90分間程度の作品がおすすめです。

子どもにもわかりやすいストーリーのもの
作品としては名作であっても、ストーリーにひねりがあると幼い子どもはついていくことができません。話の筋道がわからなくなると飽きたりぐずったりする原因にもなるので、シンプルでわかりやすいストーリーのものがおすすめです。いくら絵がかわいくても、ストーリーより雰囲気やセリフで魅せるタイプの作品は子どもには向きません。

また、中には感受性がとても鋭い子もいます。主人公が死んでしまう話など悲劇的なストーリーの作品だと、衝撃を受けて激しく泣いてしまうこともあるかもしれません。楽しい気分で映画館デビューを飾るには、ハッピーエンドで終わる明るいお話を選ぶとよいでしょう。

歌や音楽が楽しめるもの
子どもは歌や音楽が大好きです。ストーリーの中に歌が組み込まれている作品やミュージカル作品なら、歌詞の内容がわからなくても十分楽しめます。挿入歌など作品中で音楽が使われている作品は単調にならないので、幼い子でも最後まで集中して鑑賞できるでしょう。

音や光の刺激が強すぎないもの
大きな音が出たり光が激しく点滅したりすると、びっくりして泣いてしまう子もいます。戦闘シーンがある戦隊ものなどは、ふだんから好きで見慣れている子なら大丈夫かもしれませんが、映画館で初めて見せるのはあまりおすすめできません。日頃から音や光に敏感で繊細な子には、刺激の強い作品は避けたほうがよいでしょう。

暴力的な描写がないもの
子どもの頃に目にした映像は意外と記憶に残り、その後の精神の発達にも影響を及ぼす可能性があります。人を殺すシーンや暴力をふるうシーンなど、残酷な描写がある作品は避けるべきです。

アニメなら何でも大丈夫だろうと思いがちですが、体裁はアニメでも内容は大人向けというものも少なくありません。見た目だけで選ばず、口コミやレビューをチェックするなどして、子どもにふさわしい内容かどうかあらかじめ確認するようにしてください。

感性は人それぞれ!映画館デビューがうまくいかなくても気にしないで

初めて映画館で映画を鑑賞する際の反応はケースバイケースです。2歳未満でもまったく泣かずスムーズに映画館デビューを果たす子もいれば、3歳を過ぎていても泣いたりぐずったりしてしまう子もいます。映画という刺激に対しどのような反応を示すかには個人差があるので、他の子と我が子をくらべても意味はありません。たとえ映画館デビューがうまくいかなくても、しつけが悪いのではないか、発達が遅いのではないかなどと悩まないでくださいね。

初めての映画館で泣いてしまったとしても、成長するにつれどの子も当たり前のように映画館で映画鑑賞することができるようになります。親は焦らず、子どもの成長をゆっくり見守っていきましょう。

関連記事一覧