
ママが不満に思うパパの言葉&行動と、その対処方法
結婚して子供が生まれると、それまでにはなかった夫の言動に傷ついたり、怒りを覚えたりすることもありますよね。夫婦喧嘩が増えたというご家庭も、多いのではないでしょうか?ここでは、『パパの言動に対するママの不満』、『パパの気持ち』には、どんなものがあるのか、またその原因と対策を考えます。
変わる夫婦の形
現在は共働き家庭が多数派
内閣府の調査によると、1990年代半ば頃には共働き家庭が専業主婦家庭の世帯数を上回り、現在に至るまでその差は拡大し続けています。今や共働き家庭は、ごく普通の光景になりました。女性の社会進出が進んだことや、不景気による経済的な不安などから、夫ひとりの稼ぎで家計を担うことが難しい。このようなことから、「夫と妻の両方が収入を得る=共働き」増加の理由になっています。
また、女性の社会進出が進むと同時に、近年「ワンオペ育児」という言葉が聞かれるようになります。「ワンオペ」とは「ワンオペレーション」の略で、ひとりで仕事、家事、育児の全てをこなさなければならない状態を指しています。企業の育児支援制度が充実し、出産後も働きやすい環境になりましたが、男性の育児に関連する制度への参加は十分とは言えません。たとえば、育休制度を利用するのは女性、時短勤務をするのも女性が多く、仕事や家事、育児も抱えながら走っている女性の現状がうかがえます。
次に、家庭内ではママがパパのどんなことに傷ついているのか、困っているのかを紹介します。
ママのイライラ&爆発寸前!残念パパの言動
育児は楽だと決めつけないで
・「お前はラクだよな~」「お前は1日家にいていいよな~」
主に、専業主婦または、育休中のママに対しての発言。家にいるからやるのが当たり前、と相手側が思うのは傲慢です。ママとパパはお互いにフォローしあう関係のはず。「育児は楽」と、まるで遊んでいるかのようにと決めつけらると悲しいですね。
・「家に居るのに、なんで部屋が散らかってるの?」「掃除やったら?」
特に子供が動きまわるような年齢になると、片づけたそばから荒らされるなんてことは日常茶飯事。このようなことを言われると、呆れるを通り越して悲しくなります。
・「おかず少ないね」「(食事の支度)え、まだできてないの?」
そういう時もあります。予定通りにいかないのが育児の特徴のひとつです。子供の動きは予測不可能なことも多く、それに対応していると、「気がついたら夕食の支度が間に合わなかった」という場合もあります。
偉そうに言わないで
・「俺は働いてるから~」「俺の稼ぎで生活できるんだよ」
収入を得ることはもちろん重要で大事なことですが、「お金」そのものを食べることはできませんよね。生活は様々なことで成り立っているのです。
・「仕事があるから~できない」「早く帰れないんだから仕方ないだろ」
私が仕事を融通するのが当たり前と思わないで。定時に仕事を終わらせる苦労は、どちらか一方だけのものではありません。
・「俺は(家事・育児を)やってる」
ママは毎日やっていますが、「私は毎日育児をやっています」など言わないですよね。夫婦で我慢比べをしているのではないはずです。
・「俺の育児は負担が大きいんだ。お前は楽にできるだろ」
ママだって初めから慣れていたわけではありません。まずは、やってみなければ始まらないでしょう?
話しを聞いて
・悩みを相談しても「俺なんかその何倍も大変なんだよ!」「それぐらいでガタガタ言うな」
突き放すように言わないで。ママがひとりで育児をしているように感じられて、孤独な気持ちになります。
・話がまだ終わってないのに「要は〇〇でしょ」「で、結局何?」
切り上げるようなことを言われると、「面倒なんだな」と感じます。
・話しかけても生返事、聞いてない
「これからは期待しないようにしよう」、と気持ちが離れてしまいます。
私だって自分の時間が欲しい
・自分だけ趣味に没頭(ジョギング・筋トレ・テニス・ゴルフ・スポーツのコーチなど)
気分転換をすることは大切ですが、それはママも同じです。たまにはママにも、半日、数時間でも自由な時間があると、気持ちの明るさが格段に違ってくるでしょう。
・休みのときに楽しむ趣味を持っていない(子供と遊んでくれるわけではない)
パパも仕事疲れで、寝ていたりゴロゴロしてしまうのでしょう。しかし、常態化していると、やはり負担はママにのしかかります。
子供が真似をするからやめて
・テレビに向かって「バカ」「死ね」「~じゃねーよ」と言う。
子供は親から、様々なことを吸収します。言葉ももちろん例外ではありません。
言霊という言葉もあるように、乱暴な言葉を使っていると、だんだんと人は「そのような」人になるものですから気をつけたいですね。
・ゴミをポイ捨てする。
公共のマナーを守るのは親や大人の役目です。「少しくらいいいよね…」を子供が見ています。
・とりあえずテレビをつける テレビ、スマホの見すぎ
それぞれの家庭の流儀があることは承知のうえですが、やはり子供が見ていることは事実です。自分のことを棚にあげて、子供に「テレビ見すぎだよ」と注意することのないようにしたいものです。
ざっと挙げてみましたが、いかがでしたでしょうか。結局、パパが育児に参加していないことや育児そのものの無理解が、不満の原因になっているようです。育児は本来、喜びを感じられるものなのに、つらい時に話もきいてもらえないようでは、ママが孤独になり精神的に追い詰められてしまいかねません。
また、パパはどことなく上から目線で、家事・育児は男性の仕事に比べて「楽」だと思われているようですが、そもそも比べるものではありませんし、家事・育児は時間も労力もかかる重労働です。
次に、ママの言葉はどうでしょうか。パパの気持ちも紹介します。
男はつらいよ!?ママの暴言とパパの気持ち
ヒステリックに言わないで
・「役立たず」(全体的に…)
・「帰ってくるのが遅い」&「帰ってくるのが早い」(どちらにしても怒られる)
・「私の稼ぎだけでも十分食べていけますから!」
・「言われたとおりにしてないで、少しは自分で考えてやってよ!」
・母乳が大変そうなので「ミルクに変えたら?」と言ったら「うるさい!」って言われた
・「週末くらい子どもの世話しなさいよ」と叱られる。
・何かにつけて「パパなんだから…」
・「私ばかりが苦労している」と言われる。それは違うだろうと思う。
・深夜帰宅したときに「何も手伝ってくれない」と言われた。こちらも疲れてまんねん。
・子どもを連れて長時間外出してママの時間を作ったつもりだったのに、不十分だったらしく「本当に役に立たないわね」と言われた
・授乳中に何か手伝うことがあるかなと思って静かに待機していたら、「突っ立ってないで、何かやることあるんじゃない!」と怒鳴られた
※パパの悩み相談横丁より抜粋
パパの言いぶんも聞いてみますと、ママにも反省すべき点があることがわかります。
ママにそれまで溜まっていたものがあるとはいえ、捨て台詞を言うだけでは、関係が悪くなるだけですよね。
「私がやったほうが早いから」と自分で何もかもやっていませんでしたか。ひとりで育児をするのではなく、相談することが大切です。
また、パパに育児を前向きに取り組みたい意思と行動があるのにも関わらず、連携がうまくいっていないばかりに、ママの暴言につながっている場合もあるようです。
以上、ママとパパの不満を見てきましたが、お互いの意識がすれ違っている状況を改善するためにどうしたらよいのでしょうか。
次に、お互いが連携して育児に取り組むための方法を提案します。
ママとパパで協力しながら育児をしよう
育児に消極的なパパの気持ちとは
ママは妊娠、出産を経て、毎日子供の体温を感じながら母親になっていきますが、パパにはそのような体験がないので、父親の具体的な実感がありません。育児に関しても、「何をやったらいいのか、わからないからやらない」というのが本音ではないでしょうか。
もしくは、未だに「家事育児は女のするもの」と思っていたり、子供が「ママがいい」と、ぐずることも多々あります。
そんな状況で、まず手始めにしたことにいきなり「ダメ出し」されては、パパもやる気を失くしてしまいます。
パパがやる気になる言葉をかけよう
まるでパパのことも育てるみたい…という気持ちを少し抑えて、ママから働きかけてみませんか。きっと少しずつ変わるはずです。
・「〇〇してもらえると助かるわ」
・「今度〇〇お願いしてもいい?」
・「ありがとう」
・「うれしい」
・「パパがいてくれると頼りになるね」
いかがでしょうか。普段口にしていますか?改めて文字にするとシンプルですが、こうして読むだけでも温かみを感じますよね。
しかし、「簡単に言えるならとっくに言っている」「言えないから苦労してるいる」という気持ちもわかります。では、このままイライラと当たり散らすままでよいでしょうか。暗い気持ちのままでよいでしょうか。
まず一言だけ一回だけ、言ってみてください。言った後のパパの反応で、本性がわかります。それで肯定的な反応があれば、歯車が良い方向に動きだす可能性があります。
もし、否定的な反応であれば、一旦心の距離を置いて別の方法を考えましょう。これもまたひとつの前進でしょう。
スケジュールの共有
日常生活の小さな頼み事ができるようになったら、少し長いスパンのスケジュールを共有してみましょう。
これまでは、保育園の行事や学校の保護者会、予防接種、健診などの用事をママひとりでこなしてきませんでしたか。このように黙々と取り組んでいても、パパにはどんな作業をしているのかが見えないので、育児を意識するきっかけにつながりにくいのです。
そこで、カレンダーに用事を書き込んだものを、家の中の目につくところに貼ってみたり、ネット上のカレンダーを共有すると、パパにとっても育児関連の用事が自分の課題として認識しやすくなるでしょう。
また、残業や出張などお互いの仕事の都合もそこで共有すると、スケジュールの調整に役立てることもできます。
家事の分担を相談して決めよう
共働き家庭では、家庭での時間が少ないので家事・育児を夫婦で分担して、効率よく毎日の生活サイクルをまわすことが大切です。
まず、毎日の生活でしていることを書き出します。
【例:1日のスケジュール平日版】
①朝食をつくる
②子供を起こす
③子供に朝食を食べさせる
④子供の着替え、支度をする
⑤自分の朝食を食べる、支度をする
⑥子供を保育園に送る
⑦子供を保育園に迎えに行く
⑧洗濯物を取り込む
⑨夕食をつくる
⑩子供と夕食を食べる
⑪子供をお風呂に入れる
⑫子供を寝かしつける
⑬食事の後片付けをする
⑭洗濯をして干す
⑮明日の保育園の準備をする
以上の項目を、夫婦で編むように分担します。
例えば、ママが朝食をつくっている間に、パパが子供を起こす。ママが子供に朝食を食べさせ、着替えさせている間に、パパが自分の朝食を食べ、身支度をし、子供を保育園に送る。ママはその後、自分の身支度をして出勤する、などです。
そのほか、ゴミだし、掃除、買い物なども、相談しておきましょう。
分担の仕方や、作業内容は、各家庭それぞれの都合で決めます。出勤時間、帰宅時間にもよりますし、それも毎日同じではありません。子供の年齢が成長するにしたがって、手が離れること、新たに手がかかることなど、変化していきます。
まず、試してみて微調整しながら、自分たち流の連携パターンを作っていきましょう。
また、実際に協力してやっていく際に気をつけたいのが、「指図する人」と「される人」に役割を固定しないことです。分担の範囲内では、主導権は基本的にその人に任せましょう。
各種サービスや便利な家電を利用しよう
ファミリーサポートセンターなどの各種子育て支援サービスに登録しておくのもいいでしょう。
「夫婦ふたりだけでやらなければ」と気負わず、各種サービスのほか、祖父母など、周囲に働きかけていくことも大切です。
また、食器洗い機、衣類乾燥機、自走式掃除機などの家電も役立ちます。
健やかな家庭をつくるために
ここまで、パパへの不満についてを糸口に話を進めてきましたが、愚痴や不満が常に渦巻いていると、結局は誰も幸せになれないですよね。
家庭とは、ホっとできる場所であり、チームであり、それぞれが一番の味方になれる存在の集合体です。
それは、「ただそこにある」ものではなく、つくっていくもの。
日常生活の中で、
「自分の気持ちや考えを、相手に伝える」
「相手のペースや考えを、尊重する」
そこから始まるような気がします。あなたもトライしてみませんか。