夫婦関係の悩み/仲の良い夫婦と悪い夫婦の違いはコミュ力にあった⁉

突然ですが皆さん、「結婚生活はどうですか?順調ですか?」と聞かれて「はい順調です。良好です」と即答できる人はどれくらいいるのでしょうか。
夫婦の関係に悩みはつきものですが、今回は改めて「仲が良い夫婦って一体何だろう?」ということについて調べてみました。

仲の良い夫婦が大切にしていること


根底にあるものはコミュニケーション能力(=コミュ力)
ふと気づくと、夫との関係が冷えたものになっている。
大げさに騒ぎたてるほどでもない。でも何か気が晴れない。
どうしてこうなってしまったのだろう…等々。
結婚生活もしばらくすると、このように思う人もたくさんいるのではないでしょうか。

「結婚は大恋愛の(中も小も有りです、もちろん!)末だったのになぁ」
という人から、「…なんとなく結婚しちゃった。てへっ」「いやいや納得のいく条件が合ってこその結婚でしょ」まで、結婚に至るまでの道のりは人それぞれですよね。
でも、仲の良い夫婦でありたいと望むことは、たくさんの人々の共通した願いだと思います。
では、皆さんにお伺いします。仲の良い夫婦と悪い夫婦の違いとは何だと思いますか?

・会話が多い
・笑顔が多い
・夫婦一緒に外出の機会が多い
・夫婦共通の趣味がある
・スキンシップがある
・夫が家事や育児に協力的

などがありますよね。もちろんこれらも仲良し夫婦によくみられることだと思います。
でもこれらは、表面に現れている現象であって、実はその根底にあるものが大事なことなのです。

それは、ズバリ「コミュニケーションがとれているか、いないのか」ということ。

自分たちにとっての良好な関係を築く
そもそも、会話が少なくても、共通の趣味がなくても、別行動が多くても、仲の良い夫婦はいます。
夫が家事や育児に協力的というのも、それのみが仲良し夫婦というわけではありません。
例えば、夫の仕事が激務の場合、妻が家事育児を全面的に受けている夫婦もあります。
それでもお互いが納得のうえ、補い合っている関係ならば、夫婦の仲に問題はないといえるでしょう。

それぞれの夫婦が心地よいと思う関係は、多様なものであるはずですよね。
上記の項目は必ずしも絶対的なものではなく、コミュニケーションがとれていることの副産物であり、大切なことは自分たちにとって良好な関係を築くことにあるのです。
そこで、必要なことが「コミュニケーション能力(=コミュ力)」ということ。
仲の良い夫婦が大切にしていることは、意識してか無意識なのかにかかわらず、
「コミュニケーションをとること」にあるのです。

昨今、その重要性を問う論調を目にすることも多々ありますが、コミュニケーション能力って一体なんでしょうか。
そう言われてみると、真正面から考えたことはあまりないかもしれません。
次にそれらについてご案内します。

コミュニケーション能力とは何か


伝える・聴く・察する力が重要
コミュニケーションはもともと英語の『communication』からきています。
辞書では「(情報の)やりとり、連絡、伝達、(伝達される)情報、(お互いの)意思疎通、共感、感情的つながり」とあります。
日本でいうところのコミュニケーション能力の考え方は、各人各団体様々にあり、その適用範囲も家庭、学校、ビジネス、友人、恋人など非常に広いものになっていますが、基本的な定義とその要素は下記のように挙げられています。

【コミュニケーション能力の定義】
・対人関係において、お互いの意思疎通をスムーズにするための能力

【コミュニケーション能力の主な要素】
・伝える力
・聴く力
・人の気持ちを察する(汲み取る)力

それにしても、コミュニケーションにあたる日本語がそもそもなかったというのは驚きですね。
もしかしたら「伝える」ということに関して、日本人は消極的または苦手な分野であるのかもしれません。
とはいえ、近年「コミュ力」なる言葉も出現し、がぜん注目を浴びているこの能力。
夫婦関係の向上にも一役買ってくれることでしょう。
次に、コミュニケーション能力の主な要素(伝える・聴く・察する力)を軸にどんなことに気をつけたら良いのかをご紹介します。

会話のキャッチボールをしよう


意外と難しい伝える力と聴く力
よく聞くフレーズに「会話とは言葉のキャッチボール」があります。
これは、コミュニケーション能力の要素である「伝える・聴く力」にあたります。
誰でもしている会話ですが、実は意外と「会話をしている」人はそう多くはないようです。
なぜなら、「伝える・聴く」が会話のキャッチボールの要素ならば、実は「聴いていない」人が思いのほかいるからです。

【実は聴いていない人の特徴】
・話し手が話し終わらないうちに、その話題について自分が話し始める
・話し手が話し終わらないうちに、全く別の話題を自分が話し始める
・話し手の言葉を、即否定する
・返事があいまい

どちらかというと女性のほうがおしゃべりですので、聴いていないのは「夫」であることが多いと思いますが、
いかがでしょうか。思い当たるフシがある人もいることと思います。
「聴く」とは文字通り、相手の言っていることを聞くわけですが、しっかりと最後まで聞くことは言うまでもなく、相手の言っていることを興味を持って聞くことも大事なことです。単に聞き流していては、次の言葉がでてくるでしょうか。
相手の言っていること、言いたいことを聞き取れて初めて次の言葉がでてきます。
ということは、「聴く」にもある種の主体性が必要なのです。

では「伝える」は、誰でも簡単にできているのかというと、これにも問題があります。
それは、「何を言いたいのかよくわからない」との声も男性側からの意見としてちらほらと聞くことがあるからです。
「伝える」とは文字通り、自分の伝えたいこと、言いたいことを相手にしっかりと伝えることが大切です。
ではなぜ伝わらないのでしょうか。

【実は伝わっていない人の特徴】
・主語がない
・話が2転3転して最後までたどり着かない
・登場人物が多い
・相手の反応に関心が低い(自分が話したいだけ)

いかがでしょうか。耳の痛い話しではありますが、自分の話しに夢中になるあまり、わかっているのは自分だけだった…なんてことのないように気をつけたいものです。

会話をする。毎日誰でも簡単にしていることですが、意外と難しいですね。
でも言葉のキャッチボールが本当の意味でできたら楽しそうですね。

相手の気持ちを察する思いやりを持とう


言葉以外のコミュニケーション能力
コミュニケーション能力の要素である「人の気持ちを察する(汲み取る)力」が、これにあたります。
言葉ではなく、相手の表情・動作・声の調子・場面の状況などから、相手の心情を推し量ることを指し、非言語コミュニケーションと分類されています。
普段使いの言い方では、「空気を読む」とも呼ばれているものです。

相手の気持ちを察するというのは言葉ではないですが、相手を気づかい不快感を与えない表現をつくりだすことに役立っています。
それは、人と人とのコミュニケーションにおいて、「伝える・聴く」以上に大切なことかもしれません。
私たちは無意識でも相手の表情などの周辺状況を判断し、自分の「伝える・聴く」などの動作に影響を与えているのです。
たとえば「察する・汲み取る」時というのは、家庭においては相手への優しさや思いやりが必要なときに発揮されることが多いでしょう。
元気がないとき、落ち込んでいるとき、疲れているときは、相手に「伝える力」が弱くなっています。
そんな時に、察してくれて優しい態度や言葉掛けがあると嬉しいですよね。
「察する・汲み取る力」とは思いやりとも言える力のような気がします。

コミュニケーション能力とケンカ


ケンカするほど仲が良いは本当か
仲の良い夫婦はケンカをしないで、悪い夫婦はケンカばかりか?というと、そうとも言いきれません。
むしろ仲の良い夫婦は「健全なケンカ」をしていて、悪い夫婦は「不健全なケンカ」をしている、もしくは「不自然にケンカをしていない」といえるでしょう。

では、「健全なケンカ」とはどのようなものでしょうか。
ここにも、前出のコミュニケーション能力の主な要素である「伝える・聴く力(会話のキャッチボール)」と「人の気持ちを察する(汲み取る)力」が働いているケンカ、ということになります。

【健全なケンカ】
・一方的でなく、お互いが言い合い聴き合うことができる
・言ってはいけないこと、度を越すような暴言、相手の人格を否定する言葉を言わない

では「不健全なケンカ」というのはどのようなものかというと、上記の逆でコミュニケーション能力が働いていない状態ということになります。

【不健全なケンカ】
・どちらか一方が言ってばかりで相手の言うことを聞かない聞こうとしない
・ケンカであっても耳をふさぎたくなるような暴言、相手の人格を否定する言葉を言う
・お互いに罵り合う
・身体的な暴力をふるう、物を壊す

もはやケンカといえるでしょうか。どちらか一方を言い負かして自分は勝ったつもりでいるかもしれませんが、相手の気持ちはどうなるのでしょうか。それが、次のような状態につながると思えてなりません。

【不自然にケンカをしていない】
・一見ケンカは少ない
・本心で思っていることを言わない、言えない
・素直な感情を表さない、表せない
・我慢を続けた結果、たまに大爆発をする

だんだんと恐ろしいことになってきましたが、いかがでしょうか。
「ケンカするほど仲が良い」の「ケンカ」はコミュニケーション能力が健全に働いているたまものだったのです。
では、不健全不自然な状態の場合は、少しでも改善するために何から始めたらよいのでしょうか。
とても簡単で当たり前のことなのですが、大事なことですので次にご案内します。

相手を尊重しよう


親しき中にも礼儀あり、を大切に
今現在、仲が悪い、不健全な状態の人に、いきなり「仲良くすることが大切」と言っても無理な話しです。
しかし、そんな状態でも少しの労力でできることがあります。
それは、日々の挨拶やマナーです。
基本は朝起きて「おはよう」、出かけるとき「いってらっしゃい」、帰ってきて「おかえり」、眠る前に「おやすみ」ですね。
当たり前すぎますか。しかし当たり前のことから始めるのが一番です。何事も基礎基本が大事です。
加えると、この挨拶というものは、「あなたのことを認めています」という意思表示でもあります。
しかも日々のことですから、繰り返しますね。この繰り返しが少しづつ自分の中に積み重なり、相手への愛着が深まるのを助けてくれるでしょう。

ほかにも大事な言葉があります。
相手が何かしてくれたとき「ありがとう」、相手に迷惑をかけたとき「ごめんね」です。

言葉以外の考え方では、「相手の嫌がることをしない、言わない」ことも改めて記します。

まず形から始めよう
これらの言葉や考え方からうかがえるのは、つまりは相手に対する敬意、相手を尊重しているということに他なりません。
これらの感情がなければ、その先に楽しいやりとりなど望めるはずもないでしょう。
しかも、この敬意や尊重を表す言葉たちというのは、ある意味で形式的だったり所作的な要素があるものが多いですから、
今は気持ちが追いつかなくても、取り組みやすいはずです。
要するに「形から入る」というものですね。
これらの動作が気持ちに与える影響は大きいですのでぜひ試してみてください。

ここまで、主に夫婦間の対人関係におけるコミュニケーションについて述べましたが、それ以外にも大切なことがまだあります。
それは、「自分とのコミュニケーション」です。
次にご案内します。

自分と会話してますか


自分を知ろう
自分の気持ちを大事にしていますか。
社会で生きていると、どうしても周りに合わせて行動してしまうことが多くなります。
忙しい毎日を過ごす中で、ふと気づくと自分がどうありたいのかもよくわからなくなってしまうこともあるかもしれません。
自分の気持ちにフタをしたまま、表面的には夫との関係が問題のないものであったとしても、はたしてそれは本当に信頼できる関係といえるでしょうか。

ふと迷うとき、違和感を感じたときは、とりあえず反応してこなすのではなく、ときにはあせらずに自分の中の正直な気持ちと向き合うとよいでしょう。
また自分はどうしたいのか、どうありたいのかなどの欲求に意識を向けることも大切です。
自分が何が欲しいのかもわからないのに、それを手に入れることはできないものです。

忙しい毎日の中でテレビやSNSからたまには離れて、何もしない時間いわゆる「ぼーっとする」ことも、自分の気持ちに気づくきっかけになるかもしれません。

自分の内側と外側の距離をなるべく小さくして、夫と向き合ってみたらどうなるでしょうか。
ケンカになるでしょうか。でも大丈夫。ケンカの作法はもう知っています。
仲の良い夫婦とは、自然な姿でいても大丈夫なふたりなのではないでしょうか。
だとしたら、まず自分が自分らしくいることが大切だと思いませんか。

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